おいしさの理由と栄養がわかる。牛肉の部位別栄養辞典。 | ニュース | クロワッサン オンライン
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おいしさの理由と栄養がわかる。牛肉の部位別栄養辞典。

肩ロース、リブロース、サーロイン……。意外と知らない牛肉の部位別の栄養。知れば料理の理解が深まり、健康に役立つ情報を食肉の専門家に聞きました。
  • 影・森山祐子 文・石飛カノ

赤身と脂のバランスや調理法が味わいの決め手に。

食肉のおいしさや健康作用を専門に研究している西村敏英さんによれば、「肉の味わいを決める最大の要因は香り」なのだという。

「食肉には赤身の水分の中に含まれているイノシン酸やグルタミン酸といったうま味成分と、脂の中に含まれている香気成分があります。どちらも加熱調理することで、赤身独特の香りや脂から揮発する甘い香りが生じます。うま味成分の味にこれらの香りが加わることで肉のおいしさが決まるのです」

とくに和牛に含まれるラクトンという脂肪酸由来の物質は、ココナッツや桃のような甘い香りを生み出す。〝牛肉を食べている〟という味覚のまさに決め手となる。

「それでいうと、ヒレ肉は赤身の味わいだけで勝負する部位。逆に脂肪の多いバラ肉は脂の香りを楽しむ部位。両方の魅力が最もよく味わえる肉の脂肪含有量は36%程度です。牛肉の部位でいうとランプがそれに当たります」

甘い香りは高温加熱では壊れてしまうので、加熱しすぎず、ステーキならミディアムレアにするなど、調理法もおいしさの重要な要素。

農学博士にして食肉の専門家、西村敏英さん。

血圧上昇を抑えると同時に 不足しがちな鉄分補給にも。

また、動物の脂というと動脈硬化の原因になると悪者のイメージが強かったが、最近では適量を食べることでむしろ健康に役立つことが分かっている。

「肉に含まれるオレイン酸には血圧を下げる作用があります。一方、牛肉の赤身には鉄分が豊富。とくに赤血球や赤身の色素成分に含まれているへム鉄は、カラダへの吸収率が高いことが知られています」

赤身と脂のブレンドで、おいしさと栄養をともにいただこう。

『クロワッサン』950号より

●西村敏英さん 女子栄養大学栄養学部教授/農学博士にして食肉の専門家。東京大学農学部卒業後、アリゾナ大学、広島大学、日本獣医生命科学大学などを経て、現職に。

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