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最近SNSにお疲れ気味。みなさんどうしてますか?

SNSを使うことで、人はどんなふうに疲れてしまうのか。普段から使用頻度の高いクロワッサン倶楽部の会員3人が、実際に疲弊を感じた経験を語ってくれた。
  • 撮影・青木和義 文・河野友紀
(右から)クロワッサン倶楽部の吉村美佳さん、恒松恵子さん、大塩康子さん

吉村 気がつくとスマホを手にして、SNSを見てしまうって、もう癖ですよね。通勤時、私は新聞を持っているのに、なぜかSNSを開いてしまうんです。

恒松 それほど見たいわけではないのに、なんとなく見てしまう……。すごくわかります、その気持ち。

吉村 外でお茶をしていても、人としゃべっているのに、無意識に開いている人もけっこういますよね。私を含め、お二人もいくつかのSNSを使っていると思うんですが、どのくらいの範囲に公開してますか?

恒松 私は一番最初に始めたのがフェイスブックなんですが、比較的プライベートなことを書く機会が多かったので、基本的には〈友達〉にしか公開していません。吉村さんは?

吉村 私も、フェイスブックは〈友達〉までにしています。とはいえ、実際本当に親しい友人たちはSNSをあまりやっていない人が多いので、フォロワーのほとんどは、知り合いという感じです。

恒松 私は、基本的には、現実社会の友だちとだけ繋がってますね。

大塩 でも、会社の同僚などから友達申請をされませんか?

恒松 ありますよ。でも、「私がこの会社を卒業したら繋がりましょう」と伝えて、お断りしています。私は、プライベートと仕事は分けたいと考えるほうなので。でもそんな気苦労、SNSがなかったらしなくていいはずなのに、と思うんですよね。別に同僚のことを嫌いなわけではないので……。

大塩 私はその気苦労がイヤなので、記事はフォロワーさん以外でも見られる〈公開〉設定で書いてます。仕事関係の方から申請が来ても、娘の友だちのお母さんから来ても、すべて承認しますね。

吉村 とはいえ、それだと、見られたくない人にも見られてしまう不安がありませんか?

大塩 ありますよ、全く面識のない人にも見られるということですもんね。ですから、ものすごくプライベートなこと、あるいは誰かに読まれたら困ることは、一切書かないようにしています。迷ったら書かない。これが私の鉄則です。特にフェイスブックはそうですね。

コメントに一喜一憂。 それも疲弊する原因の一つ。

吉村 コメントとはちょっと違う話なんですが、私、フェイスブックであるグループに入っていて。けっこう大きなグループで、同じ趣味を持つ人たちが集う場所、という感じなんですが、そこでよく素敵な記事を上げている方がいて、〈いいね!〉を押したり、「いいですね」とコメントを残したりしていたんです。そうしたらある日、メッセンジャーで突然食事に誘われて。私はSNSでのみ繋がっている方と、リアルに友人付き合いはしないので、なんとなくスルーしていたら、いつの間にか友達リストから削除されていたんです。まあ些細なことですが、誰かから一方的に拒絶されたりするのは、やはりダメージがあります。正直気分が良いものではありませんし、そのせいで疲れました。

大塩 いただいたコメントへの対応って、難しいですよね。私も以前はすべてにコメントを返していたんですが、それにものすごく時間をかけていることに気が付き、可能なときにだけ返信をする、というスタンスに変えました。それからは、負担が減って楽になりましたよ。

恒松 コメントといえば、以前誕生日お祝いコメントをいただいたときの話で。私、フェイスブック上では年齢を非公開にしているんですが、とある友人が「○○歳おめでとう!」と書き込んでしまって。悪気はないのは分かるんですが、やはり気になって、急いで削除をしてもらいました(笑)。

大塩 書かれてもいいこと、書かれたら困ることって、人それぞれ線引きが異なりますからね。私は、書かれたくないだろうな? と思うことはなるべく書かないし、写真は了解を得て、タグ付けも自分と夫以外はしません。スタンスの違いをなるべく理解し合って利用しないと揉め事の原因にもなりますし、結果、疲弊してしまう気が。

恒松 人との距離感も同様で、個人差がありますよね。以前、ある趣味のグループで知り合った男性が、フェイスブックで友人になった人の女友だちに、片っ端から友達申請をしていったらしいんです。私は、自分の友だちを危険な目に遭わせられないと思ったので、その人からの友達申請はお断りしたんですが。見ず知らずの人と、はからずも面倒な繋がりができてしまうのも、SNSで疲弊してしまう理由の一つだと思います。

SNSは、自分の精神状態を見るバロメーター的存在。

吉村 私、自分の暮らしが充実していて余裕があるときは、皆さんの楽しそうな投稿を見るのも、そこにコメントをするのも楽しいんですよ。もちろん自分も、自作の料理をわざわざライトを当てて撮影して、投稿したりしちゃいますし(笑)。でも忙しかったり、ちょっと疲れているときに、日々アップされる同じような投稿を見ると、コメントをつけるどころか、それに対して嫌悪感に近い感情を抱いてしまうこともあって。それでも、〈いいね!〉をしないといけないんじゃないかという、強迫観念に近いメンタルになっている部分もあったり。勝手に板挟みになて、ちょっとぐったりすることもあります。いろんなことに寛容になれない私は、SNSは向いていないのかもしれません(笑)。

大塩 自分を疲れさせる投稿は、非表示にできますし、その人のフォローをやめることも可能ですよ。タイムラインにその人の投稿が登場しなくなるんですが、〈友達〉をやめるわけではないので、相手も気づかないし、便利です。

恒松 疲れると言えば、ネガティブな投稿を読むと疲れてしまうので、なるべく見たくないですね。

大塩 私も! そういうのはすぐ〈投稿を非表示〉をクリック。

吉村 なるほど。

恒松 私は投稿する記事ごとに、誰に見せる、誰には見せないを設定しているんですけれど、あるとき大きな失敗をしてしまったんです。

大塩 何があったんですか?

恒松 昔の話なんですが、会社を辞める決意をした日に、「今の会社から、次のステップに上がることを決めました」といった内容の投稿をしたんです。以前は会社の人も、断りきれずに数人フォローをしていたので、彼らには見えないように設定をしたつもりだったんですが、なんと間違えて、逆にしていたんです。会社の人にしか、見えない形で投稿してしまった(笑)。

吉村 なんと!!

大塩 大騒ぎになりました?

恒松 はい(笑)。すぐに削除しましたけれど、まだ会社にも伝える前で、私の心の中で決意しただけだったので……。設定はもっと確認しなければと思いました。でも最近は、そういう細かいことに疲れてきて、ちょっとフェイスブックからは離れていますね。

吉村 私も同じです。使っているうちに、なんとなく出来上がった「私のイメージ」に沿うような投稿をしたほうがいいのかな、という気持ちになることも増えてきて、そういう意味でもちょっと疲れました。

大塩 他のSNSは使ってます?

恒松 最近はインスタグラムのほうがメインです。フォローする、しないというシステムは同じですが、フェイスブックより繋がりが緩いというか。束縛感がないのが気が楽でいいですよね。

大塩 わかります! 基本的な目的が、〝写真を投稿する〟というシンプルなものなので、見るほうも投稿するほうも、気楽に使えるところがいいですよね。

吉村 私もインスタグラムのほうが、気兼ねなく自分の好きなことを投稿できています。ふと気づけば、お酒と山登りのことばかりになってしまいましたが(笑)。

大塩 フェイスブックだと、〈いいね!〉がつくことにこだわりがないんですが、インスタグラムで見ず知らずの外国の方に〈いいね!〉をつけてもらうと、ちょっとうれしいんですよね。なんか、写真を褒めてもらっている気がして。

恒松 同じ気持ちです。誰々と繋がってる、みたいなことも意識しないでいいですし。

大塩 私は海外のフォトグラファーをたくさんフォローしているんですが、そういう方々の撮る素敵な写真とか、眺めているだけですごく楽しいし、癒やされるんですよね。

恒松 突然フェイスブックに書き込まなくなったら、友人たちから「恒松さんはどこへ行った!?」と騒がれてしまったこともあるんですけど。それでも自分できちんと適切な距離を保ちながら使いたいですよね。最近はもはや、友人が私の生存確認をするツールみたいになってます(笑)。そのくらい、投稿が減ってます。

大塩 疲れないならそのほうがいいと思います(笑)。

『クロワッサン』949号より

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