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【京都の名店案内】注目のエリア、御所南で話題のイタリアン「Vena」

京都で訪れたい名店を紹介するシリーズ。今回は京都の人気店出身のシェフとソムリエがいる、御所南のイタリアン「Vena」。
  • 撮影・岩本慶三
タケノコとアワビのフライ、アワ ビの肝のバーニャカウダソースで。 タケノコのフライは皮の中に。

皿の上にすっくと立つ、皮付きのタケノコ。遊び心のあるプレゼンテーションに、思わず歓声が上がる。〈タケノコとアワビのフライ〉のタケノコは、皮をスポッと持ち上げた中に縦に隠されているのだ。

「調理の技術で喜んでいただくのはもちろんですが、お客さまのテンションをあげるというのもすごく大事やと思っているので。皿をお出ししたときに、『お~、なんやこれ!』と思ってもらうことを大切に考えています」

そう言うのは、京都発の人気イタリアン『イル・ギオットーネ』に14年間務め、本店の料理長をまかされていたシェフの早川大樹さん。昨年12月に、ワインの品揃えでも定評あるイタリアン『ボッカ・デル・ヴィーノ』のホールマネージャーを10年ほど担当していたソムリエの池本洋司さんと、独立して2人で『ヴェーナ』を開いた。

外観の窓から見えるキッチンでは、早川シェフが腕をふるう。京都出身の34歳。
カウンター席でサービスを担当する、ソムリエの池本さん。軽妙な応待で場を和ませる。

入り口からすぐの厨房を脇に眺めながら奥へすすむと、そこは坪庭のある落ち着いた空間。趣味のいい友人の家を訪ねたような感覚だ。こちらを取り仕切るのは、サービス担当の池本さん。

「僕自身、北欧ヴィンテージの家具が好きで、10年くらいかけて集めていたお気に入りをここに置いています。ゆっくりくつろいでもらえるスペースを作りたかった」

カウンターに並ぶ揃いに見える椅子も、少しずつデザインが異なる’60年代頃のデンマークのもの。座面が広くて肘掛け付きで、長居したくなる座り心地だ。そして、その背面にガラスで仕切られたのは、自慢のコレクション約500本を貯蔵するワインセラー。

「熟成したワインのおいしさを伝えたくて、古いヴィンテージもストックしています。レストランでしか飲めないワインの楽しみというのが2通りあると思うのですが、ひとつはコースの料理ごとにいろんな種類のワインを飲むペアリング。もうひとつは、その店で寝かされて熟成されたワインをボトルで1本、ゆっくり楽しむスタイル。後者は、飲み頃のワインを貯蔵しておくには場所も必要ですし、今日仕入れたワインが売れるのは10年後などと簡単なことではありません。だから、やっている店は少ないですね。ここでは、そういう需要にも応えていきたいと思っています」(池本さん)

池本さんが好きで集めていた北欧ヴィンテージ 家具を配したインテリア。2階に個室も2部屋。
座席の背後のセラーには、池本さん自慢のワインが500本ほど。イタリアのものが中心。

早川さんの料理は、見た目以上に、意外な食材と食感の組み合わせが仕組まれていて、素直に感じる「おいしい」と同時に、常に新鮮で複雑な味覚の驚きがあるのが持ち味。

〈子持ちワタリガニと花キャベツのリゾット〉は、甲羅をフライパンで炒めた香ばしさもだしに加わった、ふわふわとろとろのリゾットに、素揚げの花キャベツが苦みとパリッとしたアクセントを添える。火が入りすぎると硬くなるカニの子は、沸かさない程度の湯でやさしくゆがいてしっとりした仕上がりに。〈熊本県産の馬肉ロースの炭火焼き〉は、絶妙な焼き加減の馬肉をザバイオーネソースで。北海道のグリーンとホワイトのアスパラと、フォンドボーや生クリームで炊いた旨味の強いモリーユ茸をふんだんに。

「じゅうぶんにコクがあるところに、さらにコクを足して、えらいことになります」と早川さん。

オープンキッチンにせず、メインのフロアのほかに広い独立した厨房とワインセラーも確保して、個室もほしい。2人の希望を実現するには、かなりの余裕が必要だった。探し当てたのは、中心から少し外れた住宅街の立地。とはいえ、御所南と言われるこの界隈は、飲食店が続々と出来ているいま話題のエリア。『ヴェーナ』の噂は、早くも食通の間に広まっている。

熊本県産の馬肉ロースの炭火焼き、2色のアスパラとモリーユ茸炒めをザバイオーネソースで。
子持ちワタリガニと花キャベツのリゾット。甘くてふわとろリゾットに、花キャベツのアクセント。

ヴェーナ●京都市中京区室町通夷川上る東側鏡屋町46・3 ☎︎075・255・8757 12時~13時LO、18時~21時LO 水曜定休、月1回不定休 昼のコース6,000円、夜のコース1万3000円(サービス料別)。要予約。

『クロワッサン』947号より

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