無駄を省いて、切り詰めるのが節約の基本だけど、それだけではちょっぴり味気ない。日常の必需品を買うときも、楽しみやうれしさといったプラスの感情が生まれるような、“贅沢な節約”ができる方法があるといいのに……。
そこで提案したいのが、最適な購入先を検討する買い物のしかた。同じものを買うのでも、いくつかの購入先を頭に浮かべ、目的や状況によって使い分けることで、本当の意味でリーズナブルといえる、満足感のある節約ができるようになる。
「例えば一見、難しそうでとっつきにくいかもしれないネットスーパーやウェブ通販は、やってみると意外に簡単でとても便利です。また、個人商店に行くと昔ながらのやりとりの優れた点にあらためて気づかされます」
ちょっと目線を変えるだけで、節約が楽しくなってくる。一長一短の買い物のしかた、どこに気をつけると賢く利用できるか、青木美詠子さんに実際に試してもらった。
「特にネットの買い物に慣れないうちは、失敗もあるかもしれませんが、すぐ慣れます。少額から始めてみては」
【ウェブ通販】検索で欲しいものがすぐ見つかる。交通費も不要。
モニターの向こうの見えないところで行われる諸々の手続きに最初は不安を感じるかもしれないが、慣れれば将来にわたって便利なのがウェブ通販。青木さんも、「利用し始めた当初はクレジットカードの情報を入力するのに抵抗があって、代引(代金引換。注文品を届けに来た宅配業者に料金を支払う)にしていました。でも代引はそのつど手数料がかかるので、たった数百円でも回数を重ねると、今度はそれがもったいない気がしてきて」、今ではもっぱらカード決済。「それでも『Amazon』や『楽天』など、名前が知られた大手のサイトから買うようにしています。以前、怪しいサイトに登録しかけ、怖い思いをして懲りたので」
青木さんが最もよく利用するのが『Amazon』。当初の主要取り扱い商品は本だったが、今では食料品から家電まで、あらゆる商品が揃っている。青木さんが服を選ぶ際に重要視するのは素材だが、「たとえばアルパカのニットが欲しいと漠然と思いついて、街へ探しに出るとなると、店に入ってはセーターを一枚ずつめくって品質表示を確認しなければなりません。でもウェブなら“アルパカ100% ニット”とキーワードを入れて検索すれば、条件に適った商品が一覧になって表示されるんです」。サイズも指定できるから、さらに探しやすい。時間も交通費もかからず、全国の優れた品々から探せるのだ。しかも定価以下で販売されている場合も多く、今回見つけたニットは約40%オフ。ただし紐づけられたよけいな商品まで、つい買いすぎないように注意。あとは早く到着する『Amazonプライム』で買ってしまうと、無料期間後は勝手に会費が発生するので気をつけて。
また『Amazon』は「罪悪感なく簡単な手続きで返品できるのもすごいところ」と青木さん。自分の購入リストから、「間違えて注文した」などの返品理由を選択すれば、返送手続きが始まる。もちろん食品をはじめ、返送不可商品もあるので「返品・交換の条件」に目を通して。「洋服もサイズが合わなかったりイメージが違ったりしたら返品可能なので気軽です。自宅で誰にも気兼ねなく試着できるのも大きな魅力」