日常のさまざまな場面で遭遇するちょっとしたお金の選択肢について、経済評論家の山崎元さんに質問。どちらを選ぶべきか、明快に答えてもらおう。
Q.日常生活における支払いは、現金か、クレジットカードか?
日常のさまざまな場面で遭遇するちょっとしたお金の選択肢について、経済評論家の山崎元さんに質問。どちらを選ぶべきか、明快に答えてもらおう。
Q.日常生活における支払いは、現金か、クレジットカードか?
A.クレジットカードを使ってもかまいません。ただし、カードは1枚まで!
「現金主義が理想と言いたいところですが、なんでも現金だけで支払うのは無理があるでしょうから、クレジットカードを使ってもいいと思います。ただし、持っていていいのは1枚だけ。何枚もあると、どこで何に使ったか把握できなくなり、お金が貯まらず、借金にも繋がりやすい。とくに、社会人になって1〜3年の若い人は、現金で支払うほうが自分の金銭感覚を掴みやすいのでクロワッサン読者世代はお子さんに助言を。
Q.現金は月に一度まとめておろすか、必要なときにこまめにおろすか?
A.もちろん、まとめておろすほうが管理しやすい。時間外のATM手数料には要注意。
「現金が足りなくなるたびにATMに行って細々とおろしていると、『ああ、順調にお金がなくなっていくなぁ』ということになりますよ、それは。1カ月分でも半月分でもいいので、使ってもいい金額を決めてそれを最初にまとめておろしておくほうがいいでしょう。まさか、時間外にばかりATMを利用している人はいないかと思いますが、うっかり無駄な手数料を払ってしまわないように気をつけましょう」
Q.退職金の受け取り方、一時金か、年金か?
A.年金にした場合の利回りを計算して、得なほうを選ぶ。退職金は、受け取りに使った銀行から他に移す。
「まず、年金払いにしたときの利回りを計算してみて、そのほうが得になるなら年金払いに。ただ税金の問題もありますから、どちらが得かわからないなら税理士に相談を。避けたいのは、退職金の受け取りに利用した銀行で運用を始めてしまうことです。その銀行には資産や生活を把握されているので、不要な投資商品を買わされてしまう可能性も。運用するなら別の金融機関に移すべき。
Q.人間ドックなど、健康管理費に高額をかけることは妥当か、無駄か?
A.健康に気を遣うことは稼げる寿命を延ばすこと。しかし高額の検査は無駄であることが多い。
「人間ドックですか。はっきり言って無駄なことが多いと思います。重大な病気を発見するのはもちろん大切ですが、お金を払ってすみずみまで検査をし、細かい病気を探し出してもらう必要もないでしょう。健康に気をつけることは、稼げる自分の選手寿命を延ばすことなので経済的にも妥当と言えますが、毎年のように高額な費用をかける必要はありません。私は、一般的な健康診断で充分ではないかと思います」
『クロワッサン』942号より
●山崎元さん 経済評論家/楽天証券経済研究所客員研究員、マイベンチマーク代表。共著に『「お金」の考え方 このままでいいのか心配です』(日本経済新聞出版社)。
※ 記事中の商品価格は、特に表記がない場合は税込価格です。ただしクロワッサン1043号以前から転載した記事に関しては、本体のみ(税抜き)の価格となります。