とはいえ、こんなはずじゃなかった……と失望する要因は、やはり夫自身にあるケースも多い。
「いつまでも妻に自分の母親のような役割を求めてしまう男性は、性役割分担意識が強いといえますね。なにごとも自分優先の人だと、さらに離婚リスクは高まります」
自分優先タイプの夫は、結婚しても趣味にかけるお金や時間を減らさない。ゴミ捨てなど自分がやりやすい家事だけをやり、本当に手を借りたいことには力になってくれなかったりする。とくに、夫婦だけのうちはまだいいが、子どもという新たな存在が加わったとき、相手の本質が露になりやすいキャリアの断絶、育児の負担などで妻の不満が溜まりやすい下地ができているところにもってきて、夫のなにげない言葉や態度が引き金となり、離婚を考え始める人も少なくない。性役割分担意識が垣間見えるひと言は危険なサイン。本当に夫を捨てたくなる前に、打つ手を考えてみたい。夫が育児全般に非協力的だとしたら、子どもへの接し方を一から教える必要があるのかも。
「女性は体の変化によって母親になるのに対し、男性は体感がないまま、ある日、突然父親になる。子どものことをわからなさすぎて、育児から遠ざかってしまう人もいるのでは」
母親なら当たり前に理解できる子どもの無邪気な行動も、父親には未知の世界。まずは育児の情報をきちんと共有することが大切だ。
「自治体が開催している父親講座などに夫婦で参加してみるのも一案。妻ではなく第三者から指摘されることで、夫も納得しやすいかもしれません」
あるいは、話をよく聞くと夫が悪いのではなく、先に挙げたように夫の職場環境や上司が元凶だと判明することも。そんなときは、本当にその会社にずっと勤めたいのかなど、夫の気持ちを確かめたうえで打開策を話し合おう。