阿部絢子さん、ドイツの一般家庭で押しかけ掃除をしてみたら。 | 片づけ | クロワッサン オンライン
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阿部絢子さん、ドイツの一般家庭で押しかけ掃除をしてみたら。

昨年古希を迎えた阿部絢子さん、祝いのイベントとして思いついたのはドイツへ飛んでの掃除武者修行。
  • 撮影、文・阿部絢子

人生は一度。日々面白がって過ごさなければ、と毎年イベントを企画、実行してきた。昨年、私は古希(70歳)を迎えた。

その祝いに「ドイツでプッツフラウになる!」という楽しそうなイベントが閃いた。プッツフラウとは、プッツェンする(綺麗にする)フラウ(婦人)という意味で、日本語で言えば、お掃除おばさんのことだ。私はおよそ40年以上、掃除、洗濯、炊事などの家事術を試行錯誤してきたが、身につけた掃除術が海外、特に最も清潔好きと言われるドイツで通用するのか? 年齢の節目に、それを試したかった。

ドイツでこの計画を実行するにはまず、掃除をさせてくれる家探しが必要だ。そこでドイツ在住の友人、奥山真理子さんに依頼することにした。誕生日を挟む日程を伝え、家庭選択を依頼した。

さて、持参する掃除道具はどうしようか。いつものホームステイと違い、今回の旅は遊びも兼ねて3週間と長い。掃除道具をあれもこれもというわけにはいかない。これまでの経験から、汚れはホコリ、油、水垢の3種類しかないはず。ドイツだって暮らしは一緒。私が使ってきた、「あっちこっち手袋」(ホコリ用)、「フキペット」(油用)、「水垢とりダスター」と「スチールウールタワシ」(水垢用)の4点に絞った。洗剤などはドイツのほうが種類も豊富で効力もあるから、その家にあるものを拝借しよう。他にエプロンとゴム手袋、Tシャツなどの古布、自己紹介用に著書『3分家事』を持ち、ミュンヘンへ向かった。

働きがいのある家だ、これはうれしいぞ!

紹介されたのの家は、ラインハルト・イエレン(通称ライニー)さん。

ライニー家はジャーナリスト夫婦と、9歳と5歳の息子2人の4人家族。「間取りは玄関から廊下を進んだ奥にキッチン、隣がリビング、その隣に息子たちの部屋……」と、ライニーさんの案内も耳に入らずに、私の眼を釘づけにした光景があった。乱れたキッチン、廊下や子ども部屋に積み上がった洗濯物の山、ホコリを被ったレコードや本や玩具など。

そう言えば、この風景、どこかで見たような? あっ、昔掃除の仕事で出向いた大阪のお宅によく似ている、と思い出しながら、早く手を付けたい気持ちを必死で堪えた。幸いにも、前の晩飲み会があったライニーさんは、睡眠不足気味。「私はちょっと失礼して……」と、仕事部屋へ。

「これは働き甲斐のある家だ、うれしい〜」

一人呟きながら、手は洗濯物の山を片づけにかかっていた。まずはリビング。洗濯物を片づけ、「あっちこっち手袋」でホコリをキャッチして、レコードを揃えた。これだけでスッキリ。次は廊下と子ども部屋の洗濯物。ここも畳んでは種類別に分類し、所有者ごとの山に積み上げる。すごいホコリ、喉が痛くなる。窓を開けて空気を入れ替えながら片づける。次は床や机の上に散らかっている玩具。後で子どもたちが「どこへいったぁ?」と叫びそうだが、種類ごとにまとめて箱に入れていく。

キッチンを除いてほとんど片づいたので、床に掃除機をかけ、ホコリを取る。最後に食器を洗って水切りカゴに納め、カウンターを拭き、布巾を畳んで終了。そこに妻のバーバラさんが5歳の息子と帰って来た。彼は自分の部屋を見て驚き、母親の後ろに隠れて「ダンケ」と小さな声で呟く。お礼にとバーバラさんがワインと花束を渡してくれた。「プッツフラウ出来たぁ、超うれしい!」、私の気持ちは天までまっしぐらに上った。

【Before】昼食が終わってそのままのキッチン。シンクに食器が残って いる。手前にはCDやチラシ類が散乱している。
【After】食器を洗い、カウンターを片づけ、布巾を畳んだらこのとおり。かわいらしいキッチンの全貌が見えてきた。
【Before】子ども部屋にはたくさんの玩具と洗濯 物が山積みで、靴下が探せない状態。
【After】洗濯物を畳んで、玩具を種類ごとにま とめて箱に入れたら、スッキリ!

『クロワッサン』939号より

●阿部絢子さん 

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