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金銭面から考える終の棲家の見つけ方。

"終の棲家"を考えた時に思い浮かぶケースについて、お金面での経済的損得をファイナンシャルプランナーの藤川太さんに聞きました。
  • 撮影・加藤 淳 文・一澤ひらり イラストレーション・matsu

「豊かな老後を送るためには、お金という制約条件の範囲内で自分が望むライフスタイルをどう満たすか、その知恵をしぼることが大切です」とファイナンシャルプランナーの藤川太さん。

ライフスタイルのベースになるのが住まい。これならできそうという「終の棲家」の見つけ方を考えた。

case1. 住み続けるか、よとりある新天地を求めるか。マネープランが問題。

売却益3000万以下なら非課税。住み替えは"差益"を確保する。

子どもが独立。夫婦2人暮らしになったので住まいをダウンサイジング。家を売って小さな家に住み替えれば、売却益を老後の資金に加えられるメリットは小さくない。

「自宅、不動産などを売却した利益には所得税、住民税などがかかりますが、居住用不動産には『3000万円の特別控除』があり、売却益がそれ以下ならば非課税になります」

売却の相談が多い年齢層はやはり50〜60代。退職して夫婦2人になると、家のある場所や家の規模などの制約から解放されるので、老後の再スタートのきっかけになるのだ。

故郷へUターン、転勤族に人気の宮崎や福岡、 札幌など暮らしやすい土地への移住も。

小さい家へ住み替えはお得だが、荷物を断捨離する覚悟が必要。

この選択で多いのは土地勘のある場所への住み替えだ。夫の生まれ故郷に戻る、転勤生活を送った中で暮らしやすかったところに住みなおすというのもある。

「宮崎や福岡、札幌はけっこう多いですね。転勤族に人気の地域です。男性はあまりこだわりがないので、奥さんの故郷に住む方もいます。地方は家も物価も安いですから」

ただ、住まいのダウンサイジングには意外な落とし穴もある。

「ライフスタイルを変えられるかどうかがポイントです。小さな家に住み替えるためには家財道具を処分しなくてはなりません。その断捨離の覚悟ができているかどうかです」

同じマンション内で小さな部屋に住み替えて、売却した差益に期待する手もあるが……。

「同じマンション内だと価格にそれほどの格差はないですよね。売り買いの手数料がけっこうかかるので、手元に残るのはわずかだと思います」

case2.家の建て替えは余裕がないと無理。リフォームなら割安に済む方法も。

いまの家を壊して新築することになる建て替えは相当ハードルが高い。費用の目安になるのは坪単価×坪数だが、建て替えだと解体費用も含めて坪単価100万円前後のイメージ、と藤川さん。建築費用をできるだけ抑えても坪70万〜80万円ぐらいはかかる。その点で、予算をグンと減らせるのがリフォームだ。

「断熱をそれほど考えなくていいのなら、坪30万〜40万円ぐらいで済みます。住み心地を改善するために断熱まで考えると坪40万〜50万は想定しなきゃいけないでしょうね」

リフォームで資金不足の場合、60歳以上の人なら一考の余地があるのが、住宅金融支援機構のリフォーム融資「高齢者向け返済特例制度」を利用する方法だ。バリアフリーや耐震改修を含む工事を行えば、自宅を担保にして毎月の返済は利息のみでいいという制度。元金は申込人の死去後、自宅の売却等で返済する仕組みで、同居の配偶者も申込人として、亡くなるまで自宅に住み続けられる。

「さらに、65歳以上で要介護認定を受けた高齢者が家族にいれば、バリアフリーのリフォームなら介護保険が使えます」

『クロワッサン』937号より

●藤川太さん ファイナンシャルプランナー/運営する「家計の見直し相談センター」では2万世帯を超える家計診断を行っている。著書に『1億円貯める人のお金の習慣』。

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