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うっかり余らせてた野菜を美味しく保つ
かんたん下ごしらえ術。vol.3

うっかり野菜を余らせてしまった、そんなことがないよう、買ってきたらすぐにひと手間。料理研究家の植松良枝さんにきいたかんたん下ごしらえ術で常に美味しい状態に。今回は毎日の料理に活躍するかぼちゃ、きのこ、青菜の3つ。それぞれの下ごしらえ食材を使ったアレンジレシピも紹介します。

 
東京近郊に自らの菜園を持ち、定期的に土に触れ、野菜に触れている植松良枝さんにとって、料理の主役はいつでも、新鮮な野菜たち。

「季節によって穫れるものは異なりますが、当然ながら、成長して収穫が始まると待ったなし。同じ種類の野菜が一度にたくさん穫れてしまうので、保存法には頭を使います」(植松さん)

酢漬けにしたり、塩漬けやオイル漬け、下処理して冷凍するなど、さまざまな方法を試した上で、それぞれの野菜にぴったりな保存方法を見つけた。

「私のように野菜を育てていなくても、日頃スーパーで、旬の野菜や安売りのものをまとめ買いする機会も多いと思います。そんな時に活用していただきたい保存方法ばかりです」

植松さんの畑で穫れた野菜。キャベツなどの葉野菜は、穫れたてのフレッシュな美味しさを実感。
植松さんの畑で穫れた野菜。キャベツなどの葉野菜は、穫れたてのフレッシュな美味しさを実感。


酢、塩、オイルで保存すれば、
生で使うよりも美味しくなる。

野菜をまとめて保存するのはとても合理的な考えだが、植松さんの手にかかれば、そのまま使うよりも野菜がさらに美味しくなる点が魅力。

「野菜の滋味をしっかりいただきたいので、シンプルな味付けが基本です。使うのは、野菜が劣化していくのを防いでくれる、塩、酢、オイルの3種類が多いですね。塩もみや酢漬けをすることで、野菜の味がギューッと凝縮されて、煮物やスープなどに使うと、深い味わいになるんです」

オイル漬けや塩もみにする際、ローズマリーやタイムなど、ハーブを一緒に入れても美味しくなりそうだが、植松さんは下ごしらえの段階では、ほとんど風味づけをしないという。

「もちろん、それはそれで美味しいですけど、個性的な味にしてしまうと、いろいろな料理に応用しにくいんです。同じ考えで、ネギやしょうがなどの香味野菜も入れないようにしています。和食や中華などには合いますが、イタリアンやフレンチなどの料理には相性が合わないからです。保存野菜の味にパンチを利かせるために入れるのなら、にんにくがいいと思います」

まずは野菜本来の風味を生かして保存し、さまざまな料理に展開するのを習慣に。保存野菜があれば、調理時間が短く済むという利点もある。

「数種類の野菜が使えるので、栄養バランスも整いますよ。ただ、野菜の栄養のことを考えて、火にかける場合は蒸すことが多いですね。蒸せば茹でるより水っぽくならないし、栄養も逃げません。シャキッとした野菜の食感も残るので、ぜひ蒸すのをおすすめします」

今回、植松さんに提案してもらったのは、じゃがいも、なすの2種類の保存方法と、それらをアレンジしたレシピ。まとめ買いしやすい食材を、無駄にせず使い切りたい。

「買い物直後にほんのひと手間をかけておけば、普段の料理はラクになるし、さらに美味しくなりますよ」

 

かぼちゃは食べ応えのある大きさに切って蒸し、マリネする。

ホクホクな状態に蒸したかぼちゃをマリネしておく。
「酢をプラスして、味をキュッとしめてあるのがポイント。そのかぼちゃを、焼いたり潰したりして、他の材料と合わせて料理に使った時に、味のバランスがとてもよくなります」
また、蒸しただけのかぼちゃを、潰してから保存袋に入れ、冷凍保存するのも一つの手。
「牛乳やスープストックでのばしてポタージュにするのもいいですし、小麦粉などと混ぜてチヂミの生地にしても。旬の野菜を、大いに活用してください」

1.種とワタをスプーン等で除く。傷ついていたり凹凸のある皮の部分は包丁でそぎ取り、3㎝角程度に切り分けて、蒸し器で約10分蒸す。
1.種とワタをスプーン等で除く。傷ついていたり凹凸のある皮の部分は包丁でそぎ取り、3㎝角程度に切り分けて、蒸し器で約10分蒸す。
2.竹串を刺してスッと通ればよい。料理によっては蒸した後、皮を取り除いて使用。熱いうちに酢をふりかけ、オリーブオイルと塩をふる。
2.竹串を刺してスッと通ればよい。料理によっては蒸した後、皮を取り除いて使用。熱いうちに酢をふりかけ、オリーブオイルと塩をふる。


 

かぼちゃとピーマンのアンチョビマリネ

食べ応えがあって栄養バランス抜群の一皿。
食べ応えがあって栄養バランス抜群の一皿。
材料(2人分) 蒸しかぼちゃ100g ピーマン4個 アンチョビフィレ2~3枚 A[オリーブオイル大さじ2 塩少々] バルサミコ酢適量
作り方 
1.ピーマンは上部を薄く切り落とし、種を取り出す。
2.魚焼きグリルまたはトースターに1を並べて、6分ほど香ばしい焼き色がつくまで、焦がさないよう注意しながら焼く。
3.アンチョビを細かく刻んで大きなボウルに入れ、Aを加えて混ぜ合わせる。
4.小さく切ったピーマンと蒸しかぼちゃを3に入れて和え、器に盛り、バルサミコ酢をかける。


 

ベーグルサンド

粗く潰してチーズと混ぜるだけでいい。
粗く潰してチーズと混ぜるだけでいい。
材料(1人分) 蒸しかぼちゃ60g 好みのベーグル1個 クリームチーズ30g
作り方 
1.蒸しかぼちゃをフォークで好みの粗さに潰し、クリームチーズを混ぜ合わせる。
2.横半分に切ったベーグルに1をはさむ。


 

食感の違いを楽しめる、 冷凍きのこ袋は1〜2ヶ月保存が可能

きのこは旨み成分が豊富で、煮物やスープに入れれば、出汁としての役割も。
「3種類以上のきのこを冷凍してストックしておくと、複雑な食感と味わいを楽しめます」
季節に関係なく、通年登場する食材なので、その時々でお得なきのこをまとめ買いしよう。
「食べやすい大きさに切って保存しますが、その際、エリンギやしいたけなどは、できるだけ包丁を使わないほうがより美味しさをキープできます」
その他、さっと茹でて熱いうちに塩で和える保存方法もある。

1.しいたけは縦に6等分、手で割く。えのきやしめじは食べやすい大きさに切る。
1.しいたけは縦に6等分、手で割く。えのきやしめじは食べやすい大きさに切る。
2.エリンギも縦に手で割く。数種類のきのこを保存袋に一緒に入れて冷凍庫に。
2.エリンギも縦に手で割く。数種類のきのこを保存袋に一緒に入れて冷凍庫に。


 

きのこのかき玉スープ

冷凍きのこがあれば、具だくさんのスープになる。
冷凍きのこがあれば、具だくさんのスープになる。
材料(2~3人分) 冷凍きのこ100g鶏ガラスープ600㎖ 塩小さじ1 醤油小さじ½ 卵1個 あさつき適量
作り方 鶏ガラスープを鍋で煮立て、塩と醤油で調味する。冷凍きのこ(えのき多めがおすすめ)を加え、溶き卵を回し入れて卵が固まったら器に取り分け、小口切りにしたあさつきをふる。


 

きのことじゃこの炊き込みご飯

数種のきのこが味に深みを足して出汁いらず。
数種のきのこが味に深みを足して出汁いらず。
材料(4人分) 
冷凍きのこ300g ちりめんじゃこ25g 油揚げ1枚(湯通しせず1㎝角に切る) 昆布5㎝ 米2合 A[醤油大さじ1 酒大さじ1 塩小さじ1]
作り方 
といだ米を炊飯器の内釜に入れ、Aを加えてから水加減し、昆布、じゃこ、油揚げを散らす。さらに上にきのこを凍ったままの状態で広げ、そのまま混ぜずに炊き込む。


 

数種の青菜を、食感を残した状態で仕上げるオイル蒸し。

青菜は、種類によって価格の変動が頻繁な野菜。
「チンゲン菜や小松菜、水菜、キャベツなど、ビタミンたっぷりな青菜を、数種まとめてオイル蒸しにしておけば、いろいろな料理に応用できますし、野菜をたっぷり摂ったという満足感が得られるのでおすすめです」
気をつけたいのは、蒸す際の時間。食感を残すため、あくまでサッと火を通すこと。
「くたくたの蒸し煮もおいしいのですが、料理の展開を考えると、食感がしっかりと残るよう、浅めに蒸すのがおすすめです」

1.小松菜、水菜、チンゲン菜など青菜400gを3~4㎝の長さに切り、厚手の鍋に入れる。
1.小松菜、水菜、チンゲン菜など青菜400gを3~4㎝の長さに切り、厚手の鍋に入れる。
2.オイル大さじ3を回しかけ、蓋をして強火で5分ほど加熱したら蓋を開けて上下を返し、1分ほど加熱して火を止める。
2.オイル大さじ3を回しかけ、蓋をして強火で5分ほど加熱したら蓋を開けて上下を返し、1分ほど加熱して火を止める。


 

青菜とパンチェッタのパスタ

サッと炒め直すだけで味わい深いパスタが。
サッと炒め直すだけで味わい深いパスタが。
材料(1人分) スパゲッティ80g 青菜のオイル蒸し100g パンチェッタの拍子木切り30g オリーブオイル小さじ1½ 
作り方 
1.スパゲッティは袋の表示よりややかためにゆでる。
2.フライパンにオリーブオイルとパンチェッタを入れて中火にかけ、パンチェッタがちぢれてきたら青菜のオイル蒸しと蒸し汁適量を加える。
3.ゆであがったパスタを加えて全体を炒め合わせ、器に盛る。


 

カリカリ豚と青菜の辛子醤油炒め

カリッと焼いた豚肉は、青菜と一緒だと美味しさ倍増。
カリッと焼いた豚肉は、青菜と一緒だと美味しさ倍増。
材料(2人分) 豚バラ薄切り肉150g青菜のオイル蒸し150g A[練りからし小さじ1 醤油小さじ1½]
作り方 
1.豚肉は4~5㎝長さに切る。
2.フライパンに豚肉をなるべく重ならないように広げる。中火にかけ、カリカリに焼き色がつくまでそのまま触れずに3分ほど焼いてから全体を混ぜ、汁気を切った青菜のオイル蒸しを加えて炒める。
3.よく混ぜたAを回し入れてさっと和える。


 

◎植松良枝さん 食材の旬を大切に、季節感溢れる料理を提案。野菜のレシピが得意。近著は、共著『春夏秋冬 土用で暮らす。』(主婦と生活社)。

『クロワッサン』926号(2016年6月10日号)より

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