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骨、関節を丈夫にする
毎日の惣菜と簡単常備菜。

「骨、関節を丈夫にするにはやっぱりカルシウム。そしてその吸収率を高めるのがビタミンD」と、管理栄養士の蒲地桂子さん。それらを使った惣菜と常備菜メニューを料理家・井原裕子さんに教えていただきます。

 

カルシウムとビタミンDを、小魚で同時に摂れる。

骨にはもちろんカルシウムがいい。そして、カルシウムはビタミンDと一緒に摂ると、吸収率が上がるという。

「ビタミンDは、干しシイタケや魚の内臓に入っています。骨をじょうぶにということなら、小魚を食べるとビタミンDとカルシウムがいっぺんに摂れます。さらに小魚は、レモンやポン酢などの酸味で食べると、カルシウムの吸収率が少しアップすると言われています」と蒲池さん。

ただし、カルシウムは体のホルモンバランスや運動量などによっても吸収の度合いが変わってくる。たくさん摂っても不要な場合は排出されてしまうので、自分に合う量を心がけよう。

「関節には、やはりコラーゲンですね。ほかには、コンドロイチンを含んだねばねば系の食品、長芋やぬるぬるした茸類、里芋などがおすすめです。おかゆもねばねばしているのでいいですし、骨付きの鶏肉を煮込んだサムゲタンもいいと思います。そうしたなかから、無理せずに、食べられるものを選んで試してみてください」

 

長芋とオクラのとろみ煮

ねばねば食材の代表格・長芋とオクラ、カルシウムを豊富に含む桜エビをだし、みりん、しょうゆで煮たほっとする味の煮物。とろみのついた汁ごといただく。冷たいままでも、温めても美味。

桜エビ+ねばねば食材は好相性。
桜エビ+ねばねば食材は好相性。
材料(作りやすい分量)
長芋 300g
オクラ 5本
塩 適量
桜エビ 少々
A だし汁 1カップ
酒 大さじ2
みりん 大さじ1
しょうゆ 大さじ1
塩 ひとつまみ


作り方 
1.長芋は7㎜厚さに切って皮をむく。オクラはガクの周りをくるりとむき、塩を振って板ずりをし色よく茹でる。
2.鍋にA、長芋を入れて中火にかけ、煮立ったらふたをして弱火で5~6分煮る。
3. 2にななめ半分に切ったオクラを入れてひと煮して桜エビを加える。*保存は冷蔵庫で3日間

 

鮭と小松菜、ひじきの炒り煮

ひじきと小松菜は、カルシウムを多く含んでいる。ビタミンDの豊富な鮭の切り身と合わせることで、最強のトリオに。しかも、3つの食材それぞれの味がしっかりと立ち、おいしさも格別。

カルシウム豊富な小松菜+ひじき。
カルシウム豊富な小松菜+ひじき。
材料(作りやすい分量)
鮭の切り身 2切れ(160g)
小松菜 200g
芽ひじき(乾燥)8g(戻して80g)
しょうがの薄切り 2枚
太白ごま油 大さじ1
酒 大さじ1
みりん 大さじ2
しょうゆ 大さじ1


作り方 
1.芽ひじきはたっぷりの水で戻し、ザルにあげて水気をよく切る。
2.小松菜は根元を少し切り落とし、3 ㎝長さに切る。しょうがは千切りにする。鮭は1㎝幅に切る。
3.フライパンに油小さじ1を入れて熱し、小松菜を入れて中火でさっと炒めてしんなりしたら取り出す。
4.フライパンに油小さじ2を足して鮭、ひじき、しょうがを入れて中火で2~3分炒める。
5.4に小松菜を戻し入れて、酒、みりん、しょうゆで調味して汁けがほぼなくなるまで混ぜながらとばす。*保存は冷蔵庫で3日間

 

手羽先の豆乳スープ

スープをとるのに使った手羽先を、そのまま具として食べるので、コラーゲンたっぷり。さらに、豆乳は、更年期障害や閉経後の骨粗鬆症予防によいと言われる、イソフラボンを含んでいる。

手羽先+豆乳で関節の老化防止。
手羽先+豆乳で関節の老化防止。
材料(2人分)
手羽先 4本
ねぎの青い部分 10㎝
しょうがの薄切り 3枚
水 3カップ
グリーンアスパラガス 2本
にんじん 1/2本
豆乳 1カップ
塩 小さじ1/3
黒こしょう 適宜
作り方 
1.手羽先は関節で2つに切って鍋に入れ、ねぎ、しょうが、水を加えて弱火にかけ、煮立ったらアクをすくってそのまま20分煮る(ここまでは前の晩や朝でも。たくさん作って冷凍保存するのもおすすめ)。
2.アスパラは根元から半分くらいまでピーラーで皮をむいてななめに5㎜幅に切る。にんじんは細めの千切りにする。
3. 1のねぎを取り出し、塩、野菜を加えて1~2分煮る。豆乳を加えてひと煮する。火を止め、好みで黒こしょうを振って完成。


 

ねばねば小鉢

3種のねばねば食材を満喫。長芋は皮をむき、ビニール袋に入れてたたくと扱いやすい。ごはんのおかずにしてもよし、「そばやうどんにのせて、ぶっかけ麺にしてもおいしいです」と井原さん

ムチン、コンドロイチンで関節を若く。
ムチン、コンドロイチンで関節を若く。
材料(2人分)
納豆 80g
めかぶ 80g
長芋 80g
しらす 大さじ2
しょうゆ 小さじ2
作り方 
1.長芋は皮をむいてビニール袋に入れ、すりこぎなどでたたく。
2.器に納豆、めかぶ、長芋、しらすを盛ってしょうゆをかける。


 

煮干しと切り干し大根のスープ

頭も内臓もとらずに「食べる煮干し」でだしをとり、それごと食べる具だくさんのスープ。カルシウムの多いほうれん草と切り干し大根、ねばねば食材のなめこも投入し、骨と関節にもいい。

煮干し+乾物で、骨を丈夫にする。
煮干し+乾物で、骨を丈夫にする。
材料(2人分)
食べる煮干し 15g(食べる煮干しは炒ってあるのでくさみが少なく食べやすい)
切り干し大根 10g
ほうれん草 80g
なめこ 50g
水 3カップ
酒 大さじ1
塩 小さじ⅓
作り方 
1.切り干し大根は水の中でさっともんで食べやすい長さに切る。
2.ほうれん草は色よく茹でて冷水にとって冷まし3㎝長さに切る。なめこはザルに出してさっと洗う。
3.鍋に水、煮干し、切り干し大根を入れて弱めの中火にかけ、煮立ったらアクをすくい、酒、塩を加えて弱火で5~6分煮る。
4. 3にほうれん草、なめこを加えて混ぜてひと煮する


 

◎蒲池桂子さん 女子栄養大学栄養クリニック主任/管理栄養士、栄養学博士。著書に『女子栄養大学栄養クリニック ダイエット物語』(メディカルトリビューン)。ほか共著や監修書籍多

◎井原裕子さん 料理家/ベリーズキッチンスタジオ主宰。著書の『毎日おいしい! おから手間なしレシピ』(学研パブリッシング)は、栄養解説を蒲池さんが担当)

『クロワッサン』923号(2016年4月25日号)より

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