猫の習性を熟知する獣医師に聞く、
正しい猫用品の選び方vol.2
猫の健康を守るための必需品であるブラッシングブラシや爪とぎ、歯ブラシ、洗剤、そして寒さ対策についてなど、多岐にわたり猫用品選びのポイントを、獣医師の臼杵新さんに伺いました。
そう話すのは「ウスキ動物病院」院長の臼杵新さん。
たとえば、キャットタワー。市場にはコンパクトなスタンドタイプからつっぱり式の巨大タワーまで多種多様に出回っているが、選ぶべきは、「猫の身体能力に適しているもの。あまり段差に角度がありすぎると体を痛める原因になったり、怪我をする恐れも高くなる。猫の大きさにもよりますが、45度ほどのなだらかな傾斜でステップを踏めるものがちょうどいいのでは」。
また、あらゆる猫用品に共通するのは〝頑丈で壊れにくいもの〟を選ぶこと。「その道具が本当に安全であるかどうかを見極める目を持つことも大切」と臼杵さんは言います。
キャットタワーの場合は猫がのっても倒れない強度と重さのあるもの、キャリーバッグなら中の猫が不安定な布製より丈夫なプラスチック製に軍配が上がります。
「多様に出回るおもちゃに関しては、猫の力でも壊れるものや飲み込む恐れのある小さいものは避けたいし、細かいことを言えば使用される塗料や接着剤が猫にとって安全かどうか、というところまでチェックしてほしいです。安易に安いものを選んだ結果、病院にかかることになったら元も子もないですからね」
今回はほかにも獣医師の立場から、多岐にわたり商品選びのコツを教えてもらいました。ぜひ参考にしてみてください。
おうち
猫はオープンな場所よりも、暗くて閉鎖的な場所が落ち着く。「極端な話、段ボール箱でもいいけれど、クッション性があったほうが好きなはず」。保温性も高く、今の季節に活躍しそう。
ふらつき・落下防止に
タンスや冷蔵庫の上など、高い場所を得意とする猫も、ときには足を滑らせることも。そんな落下防止に有効なのがこれ。たとえば冷蔵庫の上がお気に入りならこのシートを敷くだけで安全性はアップ。
トイレ・シート
きれい好きな猫が毎日使うものだからこそ、手入れがしやすく清潔感を維持できるシステムトイレがおすすめ。臭いが気にならないのは、飼い主にとっても大きな魅力のひとつ。
キャットタワー
強度があることはもちろん、「縦方向に登る角度が高すぎると、猫の身体能力的に厳しいため、45度くらいのなだらかな傾斜でステップを踏めるようにしてあげて」。場所的にキャットタワーを置けない場合は、タンスなどを階段状に並べるだけでも猫はうれしいはず。
拭き掃除に
床に猫がおしっこをしたときなどに生じる臭いを取り去ってくれるのが「オレンジX」。「尿に混ざる油成分を分解し、臭いを除去。猫にも安全です」。1ℓの水に対して2〜3㎖を加え、希釈して使おう。
◎臼杵 新さん ウスキ動物病院院長/動物の性質や本能を見極めつつ実質的で安全な飼い方を指南してくれる。『にゃんこのためにどれを買う?』(三才ブックス)など著書あり。
『クロワッサン』916号(2016年1月10日号)より
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※ 記事中の商品価格は、特に表記がない場合は税込価格です。ただしクロワッサン1043号以前から転載した記事に関しては、本体のみ(税抜き)の価格となります。
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