人も猫も、持ち家でも賃貸でも、
安心して暮らせる工夫あれこれ。
猫と一緒に暮らす住宅環境は以前に比べて格段の進歩が。多頭飼いに対応したマンション改装例を探してみました。

水品さんのリクエストである蔵書をたっぷり収納できる本棚と、キャットウォークの動線が見事に融合した部屋になっている。
猫が6匹もいるお宅とは一体どんなふう?と思うだろう。しかし、水品朱美さんのお宅は、いたって普通。言われなければ、お洒落で静かなマンション暮らしといった雰囲気だ。
「シャイな子が多くて隠れてしまっていて。でも、全員この部屋にいたとしても、皆のんびりしているので、騒がしい感じにはならないんですよ」
そう笑う水品さんの足元には、黒猫のボビーくん。福島の飯いいたて舘村で保護され、’15年2月にここにやってた新米だが、とても人懐こい。撮影モデルも一手に引き受けてくれた。
「ここは人に貸していたマンションでしたが、その方が退去されるのを機に、猫たちと楽しく暮らす家にしたいと。そこで、猫専門の建築士である清水満さんにリフォームをお願いしたんです」
リフォームは’14年の秋。蔵書を収納する本棚を多くしてほしい、リビングと個室の仕切りを外し、ひとつの部屋として使いたい、大きな仕事机が欲しいなどの要望を出した。
「でも、一番は猫が楽しめる部屋を。そうリクエストしました」
そうして出来上がったのが、ご覧の部屋。収納スペースたっぷりの本棚は、同時にすべてが猫たちのキャットウォーク。床に降りることなく、広いリビングをぐるりと一周できる構造になっている。昇降できる場所は、階段家具や改装と同時に新しく購入したキャットタワーを利用することで、3カ所のコーナーから。これにより、多くの猫がキャットウォークに同時に昇っていても、鉢合わせして降りられなくなるという事態を防いでいる。
「特に冬は、暖かい空気が溜まるキャットウォークの上が好きみたいです。それぞれにくつろいだり、のんびり歩き回ったりしていますよ」
6匹の猫がマンションの一室にいても、乱れのない美しい住まい。その訳は、猫たちがストレスなく、のびのびと過ごせるからなのだ。

市販のキャットタワーを利用して、本棚のキャットウォークへ。こうして3カ所、昇降場所を作ってあるので、6匹の猫たちが自由に昇り降りできる。

デスク上に作られたキャットステップは、壁に開けられた穴からリビングのガラスのキャットウォークへ。そのまま階段家具へとつながっている。

棚から棚などのつなぎ目には強化ガラスの板を使用し、抜け感を演出。絶好の肉球鑑賞ポイントでもある。肉球を拝ませてくれているのはボビーくん。

本棚から向かいのキャットウォークへ。リビングを横断できる吊り橋。猫たちが退屈しないで遊べる工夫があちこちに。

キャットウォークのところどころには、猫1匹分の幅のステップが設えてある。棚から棚への移動にも使え、ひと休みする場所にもなる。

清水さん考案の爪とぎ。キャ
ットタワーの爪とぎがボロボロになったときのパーツ交換はひと苦労だが、この爪とぎはネジ式なので交換も楽だ。

玄関に続く床にもペット用タイルカーペットを敷きつめている。汚れた部分だけ洗う、取り替えるが可能。滑りにくく猫の足腰も守る。

猫たちが昇り降りするための階段家具。下の段は市販の整理BOXがぴったりと入るサイズに。上の段には倒れるモノをなるべく置かないようにしている。
◎水品朱美さん。ボビーくん 雑種 オス 4歳。ダイアナちゃん 雑種 メス 5歳。おにいちゃん 雑種 オス 5歳。姫ちゃん 雑種 メス 5歳。ちぃちゃん 雑種 メス 5歳。キナコちゃん 雑種 メス 2歳。
『クロワッサン』916号(2016年1月10日号)より

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