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カラダの巡りを整える
香味野菜を主役にした料理vol.3

高温多湿の日本の夏は、消化機能が低下して夏バテしがち。

「中医学では、〝気〟の巡りが悪くなるといいます。外気の湿気と合わせて、冷たいものの摂りすぎなどで〝水の毒〟も溜まりやすくなります。〝気〟を巡らせるには香りのよいものを、というのが薬膳の考え方。そこで香味野菜をたっぷり使った料理がおすすめです。フレッシュな香りやシャキシャキとした歯ごたえ、辛味などが食欲を増進しますし、不要な〝水の毒〟を気持ちよく出すことで、カラダがスッキリします」と青山有紀さん。

 香味野菜というと、薬味や肉や魚の臭み消しなど脇役のイメージが強いですが、それぞれ薬効の高いものばかり。夏は大葉、茗荷、新生姜、セロリなどが旬を迎え、まさに食べ時。脇役で置いておくのはもったいない。

 「それに香味野菜を使うと、簡単に味に深みや複雑さが出せます。料理の腕が上がったように感じますよ」

 紹介してもらった料理は、どれも香味野菜がたくさんとれて、短時間で手軽に作れるものばかり。

「香味野菜は、熱を加え過ぎると香りが飛んでしまうので、できるだけ生で食べるのがいいんです。ただ、生野菜ばかりではカラダを冷やしますから、生姜などを上手に使ってカラダのバランスをとりましょう。香味野菜は一度、水を張ったボウルに放つのがポイント。シャキッとさせるのと同時に、複数の香味野菜を均等に混ぜ合わせることができます」

 

香味野菜まぜごはん

じゃこのシャキシャキ感といい香り。食欲のない時でも箸が進みます。

材料(2人分) あたたかいご飯2膳、大葉3枚、茗荷1個、新生姜10g、きゅうり½本、ごま大匙1、じゃこ大匙2、塩昆布大匙1、塩少々
作り方
1.きゅうりは板ずりして洗い、薄い輪切りにして塩を混ぜ、しんなりしたらしっかり絞る。大葉は千切りに、茗荷と新生姜はみじん切りに。
2.ボウルにご飯と1、ごま、じゃこ、塩昆布を入れて混ぜる。味見をして好みで塩昆布を足す。

 

切り昆布と香味野菜の酢の物

夏の疲れを改善する酢の物を、香味野菜の薬効でパワーアップ。

材料(2~3人分)切り昆布100g、塩ゆでしたオクラ3本、新生姜10g、スプラウト¼パック、すりごま大匙1½、A[酢大匙2、薄口醤油大匙1、きび砂糖小匙1½]
作り方
1.昆布は食べやすく切り、オクラは小口切りに、新生姜は千切り、スプラウトは根を落とし、長さ半分~⅓に切る。
2.ボウルにAを入れてしっかり混ぜ、1を加えて和え、すりごまも入れてさらに混ぜる。

 

金目鯛と香味野菜のスープ

香味野菜のハーモニー、優しく深い味わいの絶品スープ。

材料(2人分) 玉ねぎ½個、にんじん30g、セロリ50g、ズッキーニ50g、にんにく½かけ、金目鯛(骨無し切り身)2切れ、昆布出汁300㎖、酒大匙2、薄口醤油小匙1、塩・こしょう適量、オリーブオイル小匙2、バター20g、ディル適量
作り方
1.金目鯛はそれぞれ塩ひとつまみずつ振り、15分ほど置く。
2.玉ねぎとにんにくはみじん切りに、にんじん、セロリ、ズッキーニは5㎜角に切る。
3. 1の鯛の水気をふき、それぞれ2~3等分に切り、鍋にオリーブオイルを熱し、鯛の皮を下にして表面だけ焼き、取り出す。
4.3の鍋にバターとにんにくを入れて火にかけ、バターが溶けたら玉ねぎと塩ひとつまみを入れてしっかり炒める。
5.にんじん、セロリ、ズッキーニと塩ひとつまみを入れてさらに炒め、油がなじんだら昆布出汁、酒、3の鯛を入れる。
6.煮立ったらアクを取り火を弱め、蓋をして5分ほど煮て、醤油とこしょうを加え、味を調整する。煮詰まって味が強くなった場合は昆布出汁(分量外)を足す。
7.スープ皿に盛りつけ、ディルを散らす。

 

◎青山友紀さん 『青家』『青家のとなり』主宰/東京・中目黒の京おばんざいと韓国料理の『青家』と京甘味処『青家のとなり』が評判。著書に『青山有紀のおばんざい定食』ほか多数。

『クロワッサン』906号(2015年8月10日号)より

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