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カラダの巡りを整える
香味野菜を主役にした料理vol.1

暦の上では秋になったとはいえ、まだまだ暑い日々が続きます。夏にバテた体力が回復しない…という人も多いのでは。

「中医学では、〝気〟の巡りが悪くなるといいます。外気の湿気と合わせて、冷たいものの摂りすぎなどで〝水の毒〟も溜まりやすくなります。〝気〟を巡らせるには香りのよいものを、というのが薬膳の考え方。そこで香味野菜をたっぷり使った料理がおすすめです。フレッシュな香りやシャキシャキとした歯ごたえ、辛味などが食欲を増進しますし、不要な〝水の毒〟を気持ちよく出すことで、カラダがスッキリします」と『青家』『青家のとなり』主宰の青山有紀さん。
 
香味野菜というと、薬味や肉や魚の臭み消しなど脇役のイメージが強いですが、それぞれ薬効の高いものばかり。大葉、茗荷、新生姜、セロリなど、脇役で置いておくのはもったいない。

「それに香味野菜を使うと、簡単に味に深みや複雑さが出せます。料理の腕が上がったように感じますよ」
 
紹介してもらった料理は、どれも香味野菜がたくさんとれて、短時間で手軽に作れるものばかり。

「香味野菜は、熱を加え過ぎると香りが飛んでしまうので、できるだけ生で食べるのがいいんです。ただ、生野菜ばかりではカラダを冷やしますから、生姜などを上手に使ってカラダのバランスをとりましょう。香味野菜は一度、水を張ったボウルに放つのがポイント。シャキッとさせるのと同時に、複数の香味野菜を均等に混ぜ合わせることができます」

 

ピビンパ

茗荷にクレソン、旬の野菜たっぷり。夏仕様のさっぱりピビンパ。

茗荷にクレソン、旬の野菜たっぷり。夏仕様のさっぱりピビンパ。

肉味噌
材料(2人分) 和牛切り落とし70g、万願寺唐辛子1本(またはピーマン1個)、味噌大匙1⅓、鷹の爪1本、おろしにんにく小匙¼、ごま油小匙½、きび砂糖小匙1½、醤油小匙1
作り方 
1.肉は小さめに切り、万願寺唐辛子は1㎝角に。
2.小さい鍋にごま油を熱し、1とにんにくを入れて炒める。
3.肉の色が変わったら水100㎖を加え、煮立ったら火を弱め、砂糖と味噌を加えて溶かす。鷹の爪を割って加え(辛いのが好みなら種も)、醤油を入れて煮汁が半量になるまで煮る。一旦冷ますと味がなじむ。

もやしと茗荷のナムル
材料(2人分) もやし⅓袋、茗荷1個、ごま油小匙½、塩ふたつまみ、おろしにんにく少々
作り方 
1.もやしは茹でてザルにあげ、茗荷は千切りにする。
2.もやしが冷めたら絞って茗荷とともにボウルに入れ、塩、にんにく、ごま油を加えて和える。

ズッキーニのナムル
材料(2人分)ズッキーニ100g、ごま油小匙½、塩ふたつまみ、白こしょう少々、ごま小匙½
作り方
1.ズッキーニを千切りにする。
2.小さめのフライパンにごま油を熱し、1を炒める。
3.しんなりしすぎないうちに塩・こしょうを振り、火を止めてごまを和える。

クレソンとサニーレタスのサラダ
材料(2人分) クレソンの葉1束分、サニーレタス大1枚、A[酢大匙1½、薄口醤油小匙2、きび砂糖小匙1、ごま油小匙1]
作り方 
1.クレソンとサニーレタスは食べやすくちぎって水に放ち、水気を切る。
2.ボウルにAを入れてよく混ぜ、1を加えて和える。

ミニトマトと新生姜のナムル
材料(2人分) ミニトマト5個、紫玉ねぎ⅛個、新生姜5g、ごま油小匙1、塩ふたつまみ、粉唐辛子小匙約¼(好みで)
作り方 
1.トマトは半分に、新生姜は千切りに。玉ねぎはスライスして水にさらし、ザルにあげて絞り、水気を切る。
2.ボウルに1と塩、ごま油、好みの量の唐辛子を加えて和える。
●肉味噌とそれぞれのナムル、塩を少々入れたスクランブルエッグをご飯の上に彩りよく盛り付けて出来上がり。

 


豚しゃぶと香味野菜のごまサラダ

豚しゃぶサラダの定番の水菜に、 大葉、茗荷、スプラウトも加えて。

豚しゃぶサラダの定番の水菜に、
大葉、茗荷、スプラウトも加えて。


材料(2人分) 豚ローススライス(しゃぶしゃぶ用)約4枚、水菜2株、茗荷1個、スプラウト1パック、大葉3枚、胡桃適量、ごま適量、A[白練りごま大匙2、酢大匙2、薄口醤油小匙2、きび砂糖大匙1]
作り方 
1.鍋にたっぷりの水を入れ火にかけ、沸騰する手前で豚肉を入れて泳がせ、火が通ったら冷水に移して手早く冷まし、水気をふいて半分~⅓長さに切る。
2.水菜は4㎝長さに、大葉、茗荷は千切り、スプラウトは根を落とし、全て一緒に水に入れて混ぜ、ザルにあげてしっかり水気を切る。
3.ボウルに2を入れ、よく合わせたAの⅓量を加えて混ぜる。
4.器に盛り、肉を乗せて残りのAをかけ、ローストして粗く刻んだ胡桃とごまを散らす。
●ごまドレッシング(A)は少し多めの量なので、残ったら他に使う。

 

香味野菜ポタージュ

仕上げにクレソンをふんだんに。見た目も味も爽やかなポタージュ。

仕上げにクレソンをふんだんに。見た目も味も爽やかなポタージュ。


材料(2人分) クレソン1束、じゃがいも大1個、セロリ小1本、玉ねぎ½個、にんにく½かけ、ローリエ1枚、バター20g、昆布出汁100㎖、牛乳200㎖、塩・こしょう適量
作り方 
1.玉ねぎ、にんにくはスライス、じゃがいもは皮をむいて半月切り、セロリは葉ごとざくざく切る。クレソンの葉はざく切り、茎は1㎝長さに切る。
2.鍋にバターとにんにくを入れて熱し、バターが溶けたら玉ねぎと塩ひとつまみを入れてしっかり炒める。
3.しんなりしたらじゃがいもとセロリ、塩ふたつまみを加え、さらにしっかり炒める。
4.昆布出汁とローリエを入れ、蓋をしてじゃがいもがやわらかくなるまで煮る。
5.ローリエを取り出した4と牛乳半量をミキサーにかけ、鍋に戻して残りの牛乳も加える。
6. 5を温めて味見をし、好みで塩を足してこしょうを振り、いただく直前にクレソンを加える。

 

◎青山友紀さん 『青家』『青家のとなり』主宰/東京・中目黒の京おばんざいと韓国料理の『青家』と京甘味処『青家のとなり』が評判。著書に『青山有紀のおばんざい定食』ほか多数。

『クロワッサン』906号(2015年8月10日号)より

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