くらし

こまめに除菌をしたいけど、手荒れしない方法は? 専門家に聞く正しい知識。

なんとなく選んでしまいがちな菌やウイルスから身を守る商品。薬剤師ライターの高垣 育さんと富士フィルムメディカルシステムズの阿部洋史さんに正しい知識と最新情報を聞いた。
  • 撮影・岩本慶三 イラストレーション・山口正児 文・寺田和代

Q.こまめに除菌をしたいけど、手荒れしない方法は?

一日に何度も手を洗ったり、アルコール除菌をする生活が続くと気になるのが、手の乾燥や手荒れ。

「1日に20回近く手を消毒する医療・看護のスタッフには、院内感染予防のガイドラインで『消毒後の保湿』が定められています。皮膚が乾燥すると、皮膚のバリア機能が失われることで、細菌が侵入しやすくなり、細菌増殖をおこす可能性があります。医療・看護・介護の現場で働く人と同じように、家庭内でもアルコール消毒後に保湿成分入りのハンドクリームをつけてほしいと思います」(阿部さん)

高垣さんは、薬剤師として働く日常業務では、接客を1人終えるごとに手を石鹼で洗うかアルコール消毒し、こまめにハンドクリームを塗るようにしているそう。

「手荒れをすると、そこからウイルスや菌が付着しやすくなるからです」(高垣さん)

職場や家庭内で気をつけている点は、アルコール消毒液がきちんと乾いてからクリームを塗ること。

「アルコールが乾いていない場合、手指の消毒が不充分なおそれがあるためです」(高垣さん)

すでに手荒れをしてしまった時は、アルコールが傷にしみるので、その場合は石鹼での手洗いのみでハンドクリームを塗る対策を。

「感染者がいない家庭内ではその方法でほぼ大丈夫ですが、感染者がいる家庭や、不特定多数が集まる場や医療現場などでは、きちんと消毒されていない手に保湿効果のみのハンドクリームを塗ると、保湿成分が菌を繁殖してしまう危険性も。その場合は、消毒と保湿成分を合わせ持つ商品を使ったほうがいいでしょう」(阿部さん)

マジックハンドクリーム「販売名:薬用フルハンド」300ml 2,980円*編集部調べ(ゼリア新薬 TEL.03-3661-2080)

水を使わずに手指・皮膚の洗浄と消毒ができる。保湿効果成分配合。医薬部外品。

薬用ハンドジェルHA 500ml 3,000円*編集部調べ(富士フイルム)

アルコールと銀系材料に加え、殺菌有効成分と保湿有効成分も配合。手指のうるおいを保つ。医薬部外品。

高垣 育

お話を伺ったのは

高垣 育 さん (たかがき・いく)

薬剤師ライター

調剤薬局で薬剤師として勤務する傍ら、薬剤などの専門ライターとして活躍。国際中医専門員。http://pharmacistwriter.com/

阿部洋史

お話を伺ったのは

阿部洋史 さん (あべ・ひろふみ)

富士フイルムメディカルシステム事業部 事業開発グループ長

1992年、同社入社後は研究所、ドイツ駐在などを経て2016年から現職。医療現場や公共施設などでの感染蔓延予防活動に尽力。

『クロワッサン』1034号より

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※ 記事中の商品価格は、特に表記がない場合は税込価格です。ただしクロワッサン1043号以前から転載した記事に関しては、本体のみ(税抜き)の価格となります。

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