こんなに小さくて繊細なカップでコーヒーを飲む日が来るなんて、ちょっと前までの私は想像もしておりませんでした。
食洗機でがんがん洗っても無問題、たっぷり入ってガバガバ飲める巨大なマグカップにコーヒーをなみなみ注ぎ、デスクにどんと置くやひたすらキーボードを叩き続ける……そんな、繊細とは程遠い日常にまったく似合わない可憐なテーブルウェア。こういうものを買う気にさせてくれるから、旅の高揚感ってすごいなと思います。
私がこのカップに出会ったのは、フィンランド南岸部にあるタンミサーリという小さな田舎町。首都ヘルシンキから電車で1時間半ほどの場所にあり、日本でも個展が開かれたことがあるフィンランドを代表する女性画家、ヘレン・シャルフベックゆかりの地でもあります。