安田美香さんが散歩中に偶然通りがかった東京・世田谷の酒店『升本屋』でこの塩みつかりんとうに出合ったのは、10年ほど前にさかのぼる。
「こぢんまりとした街の酒屋さんですけど、お酒の種類は豊富だし普通のスーパーでは見ない珍しい調味料が並んでいる。何度か通っているうちに店主の梅田知行さんが、“これ、お酒に合うかりんとうなんですよ”ってすすめてくれたんです。口当たりが軽くていくらでも食べられる。“こんなかりんとうもあるんだ!”って、一発で気に入りました」
かりんとうと言えばお茶請けのイメージだが、梅田さんは沖縄の海塩〈ぬちまーす〉に出合ったことをきっかけに、お酒にも合うかりんとう作りを決意。試行錯誤の末、塩っ気があるのに蜜の味、という絶妙な味わいを実現した。
「自分自身、子どもが2人いることもあって、お子さんのいるご家庭に簡単な手みやげを贈る機会も多いのですが、気取らない感じがいいんですよね。塩みつかりんとうは無添加だから、子どもにはおやつ、大人にはお酒のつまみとして家族一緒に食べられ、皆さんに喜んでもらえます。決まって“あのかりんとう、どこで買ったの?”って聞かれますよ」
2年半前からTBSラジオの看板番組『伊集院光とらじおと』のアシスタントを務める安田さん。その第1回放送時、局入りした安田さんのもとに思わぬ差し入れが。そう、このかりんとうである。
「梅田さんが伊集院さんの昔からのファンで、私がアシスタントをすることになったのがうれしくて番組宛に送ってくれたんですね。実は私、その初日に、緊張のあまりパジャマのままコートだけ羽織って局入りするというあり得ない失敗をしてしまったんです……。その苦い思いと、まさかのかりんとうの贈り物のことは、ずっと忘れないと思います(笑)」