くらし

【家電・光熱費編】家計のためのその節約、むしろ損している?

  • 撮影・青木和義 文・小沢緑子

《NG》テレビもHDDレコーダーも毎晩コンセントから抜いています。

「最近のテレビもHDDレコーダーも省エネ仕様で、待機電力はほぼかかりません。むしろ、起動時の内蔵チューナーの番組表などのデータ取得のほうが消費電力は大きいので、使用後はコンセントから抜かないほうが節約に」
AV機器で節電するなら、テレビのつけっぱなしをやめることが一番。
「1日1時間消すと、年間で液晶の場合は約450円、プラズマだと1530円の電気代が節約になるとのデータが」
さらに、画面の明るさを最大から中間に調節すると、毎日4・5時間視聴した場合、年間で液晶だと約730円、プラズマだと約4100円の節約になるというからぜひ実践を。

《NG》充電式のコードレス掃除機を強運転にして素早く掃除します。

「小回りが利く充電式のコードレス掃除機は、充電池が劣化するというデメリットが。吸引力もコンセントにつないで使う掃除機のほうが強いことが多いので、強運転のコードレスだけより、掃除する場所やゴミの量に応じて、掃除機自体を使い分けるのがベスト」
でも、複数台所有するのは一般の家庭では少々現実的ではない。
「同じ掃除機で電気代を節約するなら、じゅうたんは強運転、フローリングや畳は弱運転という具合にこまめにパワーを切り替えるのが効果的。同じ掃除機でも、強運転は弱運転の倍近くの電気代がかかります」
たとえば、フローリングの部屋を毎日10分掃除した場合、パワーを強運転から弱運転に切り替えるだけで、年間で1080円の電気代が節約できるとの試算がある。
「フローリングなら電気代がゼロの箒やモップだけで掃除するのも手」

《NG》パソコンは毎回、使うたびに電源を切るのが鉄則でしょう。

「起動と電源を切る時にパソコンは大きな電力を使います。作業を中断する時間が90分以内なら、スリープモードにしたほうが消費電力は少ないです」
機種で違いはあるが、昨年発売のノートパソコンを例にとると、消費電力は標準時は7.6W、最大時は45Wに対して、スリープ時は0.4Wのみ。
「スクリーンセーバーも設定できますが、あれは省エネではなく画面の目隠しが目的。消費電力は下がりません」
特に3Dなど凝ったスクリーンセーバーだと、消費電力は上がり逆効果に。

《NG》洗濯は水をたくさん使いたくないから、こまめに少量ずつ洗っています。

洗濯物は少量を毎日洗うよりも、洗濯機の容量の8割程度をまとめて洗い、洗濯回数を2日に1回と半分に減らすと、年間で水道代約3820円、電気代約160円の合計3980円が節約できるとの調査データがある。
「さらに洗濯水はお風呂の残り湯を使い、軽い汚れならすすぎを1回に減らせるスピードコースで時間を短縮すれば、より光熱費が節約できます」
もうひとつ、洗濯機で節約するなら、脱水時間を短縮する手も。
「天気がいい日やシワになりやすいものを洗うときは、脱水時間を通常の半分程度の2〜3分に調整しても充分乾きますし、消費電力も抑えられます。もちろん、洗濯機能の数倍もの電力を消費する乾燥機能は極力使わないこと」

参考資料:「家庭の省エネ徹底ガイド 春夏秋冬 2017」(資源エネルギー庁)、「家庭の省エネハンドブック」(東京都地球温暖化防止活動推進センター)。

丸山晴美(まるやま・はるみ)●節約アドバイザー、FP、消費生活アドバイザーとして、TVや雑誌などで活躍。身の回りのお金の話をわかりやすく解説した著書多数。

『クロワッサン』980号より

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