昨年10月に砂森さんが吉祥寺にオープンさせたお店は、古いアパートの1階にある。建物を見て気に入った砂森さんは、入り口から部屋までをリノベーションして、山野草や花々にゆっくり触れられる空間を作り上げた。
「隣との境であるブロック塀と建物の間には、もともとコンクリートのタタキがあって。その上に、奥の一角には板を張り、入り口を石畳にしました」
細長い空間は、まさにベランダと同じサイズ感。奥には室外機が上部に吊り下げられ、狭いスペースに工夫しながら鉢を飾る。ここには、ベランダガーデニングを始めてみたい人にとってのヒントが詰まっている。
「ベランダガーデニングは、プランターや設えた棚を移動できるのが、庭にはない楽しみ。庭に一度植えた木は飽きても替えられない。でも、たとえば、前出の佐藤さんのベランダも、今の景色に飽きたらプランターを移動してスペースを作り、テーブルを置いてお茶をしてもいい。好みの花や食べられる野菜に植え替えてもいいんです。限られた空間だからこそ、それを楽しむ方向で考えてみてはどうでしょう」