くらし

【洋風煮込み】理屈がわかれば“面倒”は“コツ”になる。川津幸子さんの料理の基本形。

家庭料理のレパートリーの幅がさらに広がる知恵と技を「100文字レシピ」の生みの親、川津幸子さんに教わる特集。今回はラタトゥイユを例に、洋風煮込みのコツを伝授。
  • 撮影・青木和義 スタイリング・綾部恵美子 文・新田草子

【洋風煮込み】野菜を1種類ずつ炒めて加えると、完成度の高い味に。

野菜がたくさんあるときによく作るのが、ラタトゥイユ。焼いた肉に添えるだけで献立になるし、冷たくてもおいしいから、冷蔵庫にあると安心します。いろいろな野菜を煮込む料理は、すべて一度に鍋に入れず、野菜ごとに炒めながら順次加えていくのがコツ。このひと手間でそれぞれの旨味が生き、ただのごった煮とは違う完成度の高い味になります。最初に玉ねぎを炒めて甘みの土台を作ることも大事。最後に砂糖を少し加えると、酸味の角が取れてまろやかになります。

ラタトゥイユ

【材料(作りやすい分量)】
玉ねぎ 1個(薄切りにする)
なす 5本
ズッキーニ 1本
パプリカ(赤・黄色) 各1個
ピーマン 1袋
さやいんげん 80g
にんにく 1かけ
白ワイン 1/4カップ
A[トマト水煮缶詰1缶 固形スープの素1個 ドライハーブミックス適量 塩小さじ1 砂糖小さじ1/2〜1 こしょう少々]
オリーブ油 大さじ4
※さやいんげんの代わりにオクラでもよい。

【作り方】
1. なすとズッキーニは縦4つ切りにして4cm長さに切る。パプリカ、ピーマンは2cm四方に切る。
2. 鍋にオリーブ油大さじ1とみじん切りにしたにんにくを入れて熱し、玉ねぎを加えて7分ほど炒める。
3. フライパンにオリーブ油大さじ1を熱してパプリカとピーマンを炒め、2に加える。ズッキーニ、なすもそれぞれオリーブ油大さじ1で炒めて2に加える。
4. 鍋全体をざっくりと混ぜたら白ワインを加え、沸騰したらAを加えてふたをして10分ほど煮、半分の長さに切ったさやいんげんを加えてさらに5〜6分煮る。

6つのポイント

にんにくは冷たい油に投入。熱して油に香りを移し、コクをもたせる。
味の土台を作るために玉ねぎは中火でしっかり炒める、これが鉄則。
野菜は1種類ずつ炒めて鍋へ。これをしておくと、ごった煮にならない。
なすは水にさらさずとも大丈夫。切ってすぐに加熱すれば黒くならない。
無理にかき回すと正体のない煮物に。重ね煮の要領で、静かに煮始める。
すべての具材を入れたらふたをして蒸し煮に。野菜の水分を引き出す。

※レシピは原則的に4人分、電子レンジは500Wです。

川津幸子(かわつ・ゆきこ)●料理研究家。家庭料理のコツをわかりやすく解説する姿勢にファン多数。著書に『100文字レシピ』シリーズ、『あいうえおいしい。』『あの味が自分でできる くいしんぼレシピ』など。

『クロワッサン』969号より

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