くらし

【和の煮物】理屈がわかれば“面倒”は“コツ”になる。川津幸子さんの料理の基本形。

「100文字レシピ」の生みの親、川津幸子さんに教わるおいしくて安心な料理を手早くつくるコツ。今回は肉じゃがより簡単な一品です。
  • 撮影・青木和義 スタイリング・綾部恵美子 文・新田草子

【和の煮物】だしは少なめで大丈夫。できあがったら30分は休ませて。

煮物といえば、じゃが芋。肉じゃがより簡単な一品を紹介します。じゃが芋は水にさらしすぎると香りが抜けてしまうので、5分程度に。玉ねぎは半分にして何層かに分けてから、2つ〜6つくらいに切って大きさを揃えると、口当たりも見た目もよく仕上がります。ひき肉はしっかり炒めて臭みを飛ばすのがポイント。また、水分が多いとじゃが芋が煮崩れるので、だし汁は案外少なめで大丈夫。万が一水っぽくなってしまったら、水溶き片栗粉でとろみをつけましょう。

じゃが芋のそぼろ煮

【材料】
ひき肉(豚肉または鶏肉) 200g
じゃが芋 5個(約700g)
玉ねぎ 1個
しょうが 1かけ
酒 大さじ2
だし汁 1・1/2カップ
みりん 大さじ2
砂糖大さじ2・1/2
しょうゆ 大さじ4
サラダ油 大さじ1

【作り方】
1. じゃが芋は皮をむき、4つに切って、水に5分ほどさらし、水気をきる。玉ねぎはくし形切りにし、しょうがはせん切りにする。
2. 鍋にサラダ油を熱してしょうが、ひき肉を手早く炒め、肉がポロポロになったら、じゃが芋、玉ねぎを加えて炒め合わせる。
3. 油がなじんだら酒を入れ、沸騰したらだし汁、みりん、砂糖を加えて、アクを取りながら5分煮る。しょうゆを加え、落としぶたをして、12分ほど煮る。火を止め、30分ほどおくと味がしみ込んでおいしい。

5つのポイント

かつお節と昆布は最小限でかまわない。水から煮出し、旨味の濃いだし汁に。 水5カップを鍋に入れ、だしパックに入れたかつお節10g、だし昆布5gを加えて中火にかける。沸騰したら火を弱め、4分ほど煮出す。火を止め、粗熱が取れたら昆布を取り除き、だしパックを絞る。
大きさを揃えて切る。このひと手間で見た目も口当たりも確実にアップ。
だし汁は入れすぎないこと。具材から出る水分も考え、ひたひたより少なめに。
少ない煮汁を対流させ、味をしっかりと含ませるために、落としぶたは必須。
煮物は完成後すぐよりも、20〜30分おいた後が食べ頃。煮汁の量も落ち着く。

※レシピは原則的に4人分、電子レンジは500Wです。

川津幸子(かわつ・ゆきこ)●料理研究家。家庭料理のコツをわかりやすく解説する姿勢にファン多数。著書に『100文字レシピ』シリーズ、『あいうえおいしい。』『あの味が自分でできる くいしんぼレシピ』など。

『クロワッサン』969号より

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※ 記事中の商品価格は、特に表記がない場合は税込価格です。ただしクロワッサン1043号以前から転載した記事に関しては、本体のみ(税抜き)の価格となります。

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