くらし ツレヅレハナコさんの家庭料理紀行。宴を愛する高知の伝統文化。うちんくの“皿鉢”と“おきゃく”。 前菜からデザートを一皿に盛る「皿鉢(さわち)料理」は家での宴会の主役。文筆家・ツレヅレハナコさんがその流儀を学びに土佐へ。 記事をシェア X Facebook LINE リンクをコピー 2023.02.02 撮影・福田喜一 文・ツレヅレハナコ(本文) 構成・松岡真子 写真ギャラリー 高知駅から西へ車で約40分。土佐湾に面し、カツオやウルメイワシ漁で栄えた。鰹節である本枯節の一つ「改良土佐節」発祥の地でもある。今回は遠洋マグロ漁船「太和丸」の網元・籠尾(かごお)家を訪問した。 前菜からデザートを一斉に並べる。中央にあるのが〈組みもの〉でアジの姿寿司、リュウキュウの酢の物、羊羹などを一皿に盛る。 12畳の座敷をおきゃく仕様にセッティング。 姿寿司、酢の物…。〈組みもの〉に盛る惣菜リスト。 左が籠尾芳子さん。切り方を指導中。 右・太刀魚は一口サイズにカットして、醤油とみりんに漬ける。別途、炊いた白米に混ぜて蒸らす。 左・水気を防ぐためにシートを敷く。 右・頭から背開きにしたアジは酢漬けに。 左・アジに酢飯を詰め、形を整える。 11品が一皿に。 シャキッと食感が特徴のリュウキュウ。 刺し身や鯛そうめん、寿司や煮物がミックスされる〈組みもの〉を盛る皿鉢は、直径約40cm! 伊万里、九谷、有田焼といった磁器が主流だ。平均で2〜3枚は所有する。それぞれの家でこしらえた料理を皿鉢に盛り持ち寄っていたこともあり、裏面には苗字や船名など屋号が記入されている。仕出し店に皿鉢を渡してつくってもらうケースもある。料理を取り分ける小皿も同様。さまざまな柄のものを300枚以上保有する家も。 皿鉢料理をみんなで囲む。いろんな人と話せるように、席は固定しない。その都度、小皿を持って移動して語らう。冠婚葬祭、節句、新築祝い、神事などあらゆる集まりで「おきゃく」をしている。 塩でシメた鯛を醤油、砂糖、酒を加えて崩れないようにぐつぐつ煮込む。 1人分に束ねた素麺を敷き詰めた上に鯛の煮付けを置き、錦糸卵、甘く煮付けたしいたけ、すまき(中国・四国地方特有のかまぼこ)をちりばめる。 だし汁でいただくのが高知流。 赤飯や炊き込みごはんなど弁当も日曜市に並ぶ。 高知市帯屋町2・4・3 TEL.088・872・3916 営業時間:8時~18時 休日:1月1〜3日 高知市帯屋町2・3・1 ひろめ市場 TEL.088・873・7198 営業時間:月〜土曜・祝日10時~22時30分、日曜9時〜22時30分 無休 この写真ギャラリーの記事を読む 関連記事 高知県のかつおのたたき風【松田美智子さんの郷土料理レシピ】 真似したい、ツレヅレハナコさんの玄米どんぶり生活。 夏バテ解消、疲労回復、腸内環境を整える。体調に合わせてアレンジ自在、ツレヅレハナコさんのからだ整え丼。 広告 TAGS #おいしさに触れる家庭料理紀行。 #ツレヅレハナコ #皿鉢 #高知 HOME くらし ツレヅレハナコさんの家庭料理紀行。宴を愛する高知の伝統文化。うちんくの“皿鉢”と“おきゃく”。