くらし

不眠、冷え、背中の張りに効くツボ、正しい刺激の仕方を紹介。

心身の疲れが、いろいろな不調になって表れやすい季節。ツボ刺激なら、いまそこにある不調へ、すぐにアプローチできます。目白鍼灸院院長の柳本真弓さんに教わりました。
  • 撮影・青木和義、岩本慶三

1、手先が冷える→八邪(はちじゃ)

【探し方】指を目一杯に広げたときに見える水かきの付け根のあたり。骨と骨の間。
【押し方】水かき部分の、骨を感じるほど奥のほうをつまみ、ぐりぐりとするように強めに押す。左右合わせて8つのツボを押すこと。
このように親指と人差し指でつまむようにしてツボを刺激する。

八邪は手先の冷えに効くツボ。血流改善にも有効。とくにストレスを感じたときの冷えに。

「ストレスによる冷えは、気の巡りが悪く、体の末端まで血が行き届かないことが主な要因です」(柳本さん)

手先の冷えに効果的なのが、手の水かき部分にあるツボ。左右4つずつ計8か所にある八邪です。ぐりぐりとつまむように押すことで、指先がじわ~っと温かくなるのを実感できるはず。

2、背中が張る→心兪(しんゆ)

【探し方】背骨と肩甲骨の内円の中点にあり、高さは肩甲骨の中心あたり。自分ではなかなか押せないツボゆえ、胸郭全体を動かして刺激を与える。
肩に手を当てて、肘の先で大きく円を描くように背骨を中心に肋骨ごと動かす。
肋骨を動かすようなイメージで回すこと。背中の凝りを意識しながら、前後に回す。

心兪は、自分の指では押しづらい位置にあるツボ。胸郭全体を動かして刺激します。

「背中は、精神を司る“心”――すなわち心臓の裏に位置するため、ストレスが多くなり、心が疲弊すると背中に張りや痛みが生じ、ときにはしこりになることも」(柳本さん)

自律神経の乱れも、背中に違和感を招く一因になるのだそうです。長時間、同じ姿勢になりがちな部位。意識して動かしましょう。

3、よく眠れない→神門(しんもん)

【探し方】手首の内側の、小指側の腱の少し内側のくぼんだところ。手首のシワの上にある。
【押す】反対の手の親指で押したり、押し回してもいい。
【さする】上から下、あるいは下から上へと、気持ちがいいと感じる方向にさする。
【温める】反対の手を神門に置き、じんわりと温める。眠れないときはもちろん、心を落ち着かせてリラックスしたいときにも。

神門は精神の安定を図り、リラックスしたいときに使うツボです。

「名前に“神”という字がつくツボは精神的な症状に効果的です。神門を刺激すると、緊張が緩んで眠りに入りやすくなります」(柳本さん)

探しやすいツボで、心が疲れて目が冴えるようなときだけではなく、日中、イライラするとき、緊張したときにも押してみては。

『クロワッサン特別編集 体のツボの大地図帖 (マガジンハウスムック) 』より

柳本真弓

お話を伺ったのは

柳本真弓 さん (やなもと まゆみ)

鍼灸師

目白鍼灸院院長。鍼灸あん摩マッサージ指圧師であり。医療リンパドレナージにも精通。心と体に効くツボを紹介する著書も多数。

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