ウィルス対策で人と距離を取らざるを得ない今。どんな人間関係が自分にとって心地よいか、慣習や常識に囚われず改めて考えてみるのに最適な状況になった、と精神科医の名越康文さん。
「もともと日本はチームで働くのが大好きな“村社会”。個人の考えより集団のルールが優先されてきました。でも今回、全ての人に強制的に、人間関係の大きな変化が起きた。会社員は、週5日みんなで揃って仕事しなくてもよかったことに気づいたのが象徴的です」
もちろん、お互いに誤解をなくし、コミュニケーションを円滑にするために、直接会う必要性もある。
「でも、それもたまにでいい。“たまに”の感覚は、仕事の種類や人との関係性などで変わります。様々なコミュニケーションツールが発達した今、付き合い方や、会うサイクルなどを個人が選べるようになったのが、今回の騒動の恩恵です。これまで、人付き合いがストレスの多くを占めていた人には、やり方を変えるチャンスなんです」