「まずは銀行のATMに行って通帳記入をしましょう。それと、クレジットカードの明細書も用意して。これで作業の半分は終わったようなものです」
と深田さん。なぜ、通帳記入を?
「収入はわかっていても、支出を把握していない人が多いのでは? 1カ月に口座から引き落とされている額と、振り込まれている額を比べれば、収支=自分の暮らしのサイズ感がわかります」
毎月の収支が赤字になっていたら危険信号。老後はボーナスがないので、月単位の支出コントロールが肝心になる。
次に通帳とクレジットカードの明細を見ながら、住宅ローン、教育費、食費も少し減らせる……というふうに、65歳以降になくなる支出を除いていく。残った年間合計支出が、老後の1年あたりの生活費。年金収入からその金額を引くと「年金生活の毎年の予想赤字額」となる。これに65歳から90歳までの年数25をかけて、住宅修繕やもしもの大病に備えるお金などの特別費用を足した金額が、知りたかった「老後資金の目標額」。今の家計管理のためにも、一度計算してみよう。