くらし

誰もが気軽に楽しめる! 落語入門Q&A。

芸術の秋、気になる映画や展覧会、あるいはコンサートも多いはず。各分野の“目利き”におすすめ作品やアーティストを聞くとともに日本の伝統芸能、落語の魅力を紹介します!
  • 撮影・岩本慶三、中島慶子 文・一澤ひらり
佐藤友美(さとう・ともみ)さん●2004年より『東京かわら版』編集人を務める。著書に『ふらりと寄席に行ってみよう』(辰巳出版)などがある。
『東京かわら版』は日本で唯一の月刊演芸専門誌。寄席を含む首都圏の演芸会情報が満載で読み物も充実。毎月28日発行。

いま落語がちょっとしたブームだ。演芸専門誌『東京かわら版』の編集人、佐藤友美さんによれば、

「毎月の落語会の開催数は首都圏だけで1000件を超え、毎日どこかで30以上の落語会が開かれています。年中無休で興行している寄席をはじめ、ホール、カフェや居酒屋など様々な場所で開かれているので、誰でも落語を聴きやすい状況になっているんです」

初心者にはハードルが高いのが伝統芸能の世界。けれども落語には誰もが気軽に楽しめる“寄席”がある。

「女性ひとりでもふらっと立ち寄れます。何度か通ってお気に入りの噺家さんができたら、その人が出演するホールの落語会や独演会に足を延ばすといいんです。寄席のゆるい空気に身をゆだねて落語を楽しむことは、ストレス解消にもなって最高の贅沢ですね」

Q.落語を観にいきたいけれど、どこに行くべき?

A.まずは寄席から体験してみては。

寄席の中でも毎日興行を行っている小屋を「定席(じょうせき)」といって、東京には下記で紹介する4軒がある。

「当日券のみで予約もいらないし、都合に合わせて入退場できます。昼の部と夜の部に分かれ、噺家や芸人が次から次へと出演し、実に楽しいですよ」

入場料は2000〜3000円とリーズナブル。基本的に全て自由席で、前列なら話芸を堪能できるし、後方なら寄席の独特の雰囲気を存分に味わえる。

「末廣亭と池袋演芸場は飲酒がダメですが、浅草演芸ホール、鈴本演芸場はお酒も持ち込めて、みな飲食自由です。デパ地下でお弁当を買って入るとか、女子ならではの楽しみもあります」

都内で寄席を見るならココ

【新宿 末廣亭】平日は仕事帰りの人たちも多く、夜間割引も。●東京都新宿区新宿3-6-12 TEL.03-3351-2974 営業時間:昼の部12時〜16時30分、夜の部17時〜21時 料金・一般3,000円※18時以降と19時以降、割引あり。
【鈴本演芸場】創業は1857年で、現存する寄席では最古。●東京都台東区上野2-7-12 TEL.03-3834-5906 営業時間:昼の部12時30分〜16時30分、夜の部17時30分〜20時40分 料金・一般2,800円 ※昼夜の入れ替えあり。
【浅草演芸ホール】多くの落語家を輩出した笑いの殿堂。●東京都台東区浅草1-43-12 TEL.03-3841-6545 営業時間:昼の部11時40分〜16時30分、夜の部16時40分〜21時 料金・一般2,800円 ※18時以降と19時以降、割引あり。
【池袋演芸場】全92席で高座との距離も近い。●東京都豊島区西池袋1-23-1 エルクルーセB1 TEL.03-3971-4545 営業時間:昼の部12時30分〜16時30分(下席14時〜17時15分)、夜の部17時〜20時30分(下席18時〜20時30分) 料金・一般2,000円〜

ほかにもあるある演芸場

外せないのは東京・国立演芸場、横浜にぎわい座。上方落語を聴くなら大阪・天満天神繁昌亭、動楽亭、神戸・喜楽館。このほかに名古屋・大須演芸場、仙台・花座などがある。定席ではあまり見られない落語立川流や円楽一門会がお目当てなら、東京・お江戸上野広小路亭、お江戸日本橋亭、お江戸両国亭などへ。二ツ目専門の東京・神田連雀亭も人気。

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