からだ

手指の痛み・変形は予防できる。カギは、あなたの「家族歴」です。

手指の悩みには、女性ホルモンの減少が関係していたが、さらに詳しいことがわかってきた。未来のカラダを守るために、知っておきたいことがある。
  • イラストレーション・内山弘隆 文・越川典子

まず、家族の手指を 見てみましょう。 予防はそこからです。

大久保ありさ(おおくぼ・ありさ)さん●四谷メディカルキューブ 手の外科・ マイクロサージャリーセンター 医師。東京医科歯科大学卒業。横浜市立みなと赤十字病院、亀田総合病院などを経て、現職。日本形成外科学会専門医。「意識せずに使える手」を目指し、丁寧で女性目線の診療が人気。

「手指が腫れて痛い」「指先が曲がってつらい」……。ここ、四谷メディカルキューブ「手の外科」には、全国、ときには海外から患者が訪れる。

変性疾患で病院に行く人の90%が女性、しかも、ほとんど更年期以降の女性です」と話す大久保ありささん。

発症年齢のピークは50歳前後。手指に違和感を感じながらも、放っておいたり、年のせいと諦めたりするうちに、7~10年たって指が変形してくる。強い痛みや変形で来院する60代や70代の女性が多かったんです」

ところが最近、変化があるという。

「年齢層が若くなって、きれいにネイルをした40代、50代の女性が目立ちます。『いつもしていた指輪が入らなくなったから』『友人が治療してよくなったと知って』と、何らかの気づきがあって来院する人が増えてきたのです」

手指の変性疾患には、女性ホルモンであるエストロゲンの減少が大きく関わっていることがわかっている。

「エストロゲンの受容体は、肌や骨、血管……と全身にあって、炎症を抑えるなど女性のカラダを守ってくれています。その受容体が、関節を覆う滑膜にもあることがわかっているんです」

そのため大久保さんは、女性ホルモン様の働きをするエクオールのサプリメントをすすめてきた。摂取することで、とくに軽い症状、まだ疾患初期の人に改善がみられたからだ。

「同じ更年期でも、手指が変形しやすい人としにくい人の違いは何だろう」と、大久保さんは患者の協力を得て調査をすすめ、その中間結果を今年度の日本手外科学会で発表した。

手の外科受診患者の90%は女性。 その90%が更年期の女性です。

【 指の変性疾患はここに出てくる 】

1.手根管症候群(しゅこんかんしょうこうぐん)
小指以外の指がしびれる。

2.腱鞘炎/ばね指
指のつけ根が痛い。指を曲げると、伸ばせなくなる。

3.母指CM関節症
親指のつけ根が痛い。

4.ヘバーデン結節
指の第1関節が腫れて痛い。

5.ブシャール結節
指の第2関節が腫れて痛い。

6.腱鞘炎/ドケルバン病
親指のつけ根から腕にかけて痛い。

手の外科の患者では、来院する65%がヘバーデン結節。次に、ブシャール結節が25%。どちらも発症している場合も少なくない。

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