からだ

【専門医に聞く】そもそも口内炎とは何か。

しゃべるだけで痛い、食事がシミる。口内炎は身近なだけに軽視しがち……。正しい知識を得て、予防と早期完治を!
  • 撮影・黒川ひろみ 文・大澤千穂 イラストレーション・川野郁代
新谷 悟さん 東京銀座シンタニ歯科口腔外科クリニック院長

気がつくと、口の中に痛みをともなう「できもの」ができている。それらをひとくくりに「口内炎」として考えてしまいがちだが、そもそも口内炎とは何なのだろうか。歯科口腔外科医の新谷悟さんによると「口内炎は定義も、できる範囲も実に多岐にわたる、口腔内の病気の総称」だという。

「ようするに口の中や周辺の炎症をそう呼んでいるんです。医学的には、何らかの原因により粘膜に刺激が生じ、上皮に炎症が起こり、ただれた状態。特にできやすいのは頰や唇の内側などの柔らかい部位ですね」

口角なら口角炎、唇なら口唇炎、舌の上や裏なら舌炎。正式な呼び名はできる部位によって異なる。

「時には硬い歯茎にできることもありますが、その場合は歯肉炎となります」

頻繁に口内炎ができるという人もいれば、あまりできない人もいる。それには個人差もあるのだろうか

「粘膜が弱い人など、口内炎になりやすい体質の人はいますね。比較的若い人がなりやすいと言われますが、年齢を重ねることで口中が乾燥し、唾液が出にくくなることで口内環境が悪化して発症することもありえます」

口内炎は種類により、できる原因も症状も異なる。一度できてしまうとつらい口内炎。ならないために、そしてなってしまったらなるべく早く治せるように、正しい知識を身につけたい。

口内炎ができるのはこんな場所。

新谷 悟(しんたに・さとる)●東京銀座シンタニ歯科口腔外科クリニック院長。歯科口腔外科医。愛媛大学医学部助教授、昭和大学顎口腔疾患制御外科学教室主任教授・口腔外科科長などを歴任後、2014年に銀座にクリニックを開業。

『クロワッサン』978号より

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