まず、「出血が止まらない」場合、その期間に注意してほしい、と太田さん。
「1週間なのか、1カ月なのか、3カ月か、半年続いているのか、必ず医師に伝えること。大まかな目安ですが、1カ月前後出血が続く場合は、機能性出血が多い。3カ月以上出血していたら器質性出血を疑いますが、その中でも良性関連の子宮筋腫、悪性関連の子宮体がんに大きく分かれます。悪性関連の中には、がんではないものがあります。それが、今回、皆さんに詳しくお伝えしたい子宮内膜増殖症なんです」
子宮内膜増殖症の説明の前に、女性の排卵周期のおさらいをーー。
卵胞期には、卵巣が卵胞を育てる→成熟した卵胞の殻からエストロゲンが分泌→排卵する。すると、排卵した卵胞の殻から黄体ホルモン(プロゲステロン)を作る→受精しなかったら→月経を起こす。
「子宮内膜増殖症というのは、月経時にはがれ落ちるべき内膜が、子宮内で異常増殖している状態。その原因は『無排卵』です。排卵がないから内膜がどんどん厚みを増し、不定期に破綻出血を起こしたりするんですね」
40代、50代になると、よく「ホルモンが乱れて」というが、
「乱れの正体は、無排卵なんです。皆さん、エストロゲンが減っていることを指して話すことが多いのですが、エストロゲンは、排卵が起きても起きていなくても分泌されているんです。では、なぜ排卵しなくなるのか。毎月欠かさず排卵すれば、妊娠の確率は高くなる。けれど、45歳の私がいま妊娠したら、命にかかわることもある。だから、人間は30代後半から40代にかけて、月経はきても排卵の回数だけを落としていっているんです。それが、排卵のない無排卵周期症。実は、40代以降では、その確率はかなり高くなります」
閉経まで、およそ5〜10年ある年齢で、不定期だが月経はある。早かったり遅れたり、量が多かったり少なかったり、期間も長かったり短かったり。でも、エストロゲンが分泌されているのだから、何が問題なのかーー。