しかし、だれもが完璧なセルフケアをできるわけではない。
「私の姉は身体障がい者。骨形成不全症と象牙質形成不全症も伴っているから、どんなにケアをしてもすぐに歯の病気にかかってしまうんです」
姉の歯の病気を治したい一心で歯科医師になったという二川さん。
「障がい者施設や精神科で治療をすると、完治したはずの患者さんがすぐにまた悪くなってしまう。セルフケア以外の方法で口腔環境を整える方法を模索し始めました」
そこで行きついたのが、プロバイオティクスによって口腔内フローラをコントロールする方法だ。
「プロバイオティクスとは、自然由来の善玉菌を摂取することによって、悪玉菌を減らし、善玉菌を優勢の状態にすること。これをだれもが日常的に行っている『食べること』で実現できれば、セルフケアが難しい人も口腔環境が整えられる」