からだ

Vol.46トイレの回数が増えています。【40歳からのからだ塾WEB版】

「トイレが近い」「夜中に起きる」。こんな尿の悩みを持つ人は、40歳ころから増えてくるそうです。年齢のせいなのか、病気なのか分からないと心配になるし、尿の悩みは他人に相談しにくいですよね。
昔よりもトイレの回数が増えた、何かの調子でトイレに行きたくなるので外出がおっくう。映画は出口近くの席をとらないと不安で楽しめない……。こんな悩みは、どうしたら解決できるのか。原因や対処法を専門医に聞きました。クロワッサンの誌面でも同じテーマをとりあげていますので、そちらもぜひチェックしてみてくださいね。
  • 文・及川夕子 イラストレーション・小迎裕美子

トイレが近くなる病気ってあるの?

「年齢とともにためられる尿が減ってくる。そうした加齢変化は、男女問わず誰にでも起こり得ることです」
こう話すのは、泌尿器科医師の小内友紀子さん。
急に我慢できない強い尿意(尿意切迫感)をもよおし、何度もトイレに行きたくなる症状には、「過活動膀胱」と呼ばれる状態がしばしば関係しています。
「ある程度の年齢になれば、多くの人に過活動膀胱の症状はあって、軽いか重症かで個人差があるようです」(小内さん)。中には、尿が漏れてしまう人(ウエットタイプ)もいて、50歳以上の女性では8人に1人が過活動膀胱というデータもあります。
*尿もれなしはドライタイプと区別

過活動膀胱かどうかを調べるには、簡単な問診票があり、セルフチェックができるようになっています。
「尿意切迫感と頻尿(昼間8回以上、夜2回以上)で、ご本人が困っているようなら、治療を勧めます。過活動膀胱は、きちんと治療すれば改善できる病気です」(小内さん)

過活動膀胱の問診チェックシート

出典:過活動膀胱診療ガイドライン 過活動膀胱症状スコア(OABSS)を一部改編

過活動膀胱以外にも、トイレが近い原因はたくさんある!

トイレの回数には、生活スタイルや病気が影響しているケースもあり。ほかに原因がないかどうかも、チェックしてみましょう。

1つには「水分の摂り過ぎ」があげられます。「水分は食事からも摂っているので、さらに飲料を大量に摂ればトイレの回数も増えます。1日2リットル以上飲むのは摂り過ぎです」と小内さん。
水分の摂り過ぎがむくみの原因にもなることは、以前このからだ塾でも紹介しました。意外な盲点かもしれません。

そのほか、子宮筋腫、膀胱がん、膀胱結石などの病気や、飲んでいる薬の副作用(利尿剤やリウマチ治療薬のステロイドなど)が原因でトイレが近くなることも。夜だけ頻尿になる人では、寝酒の習慣や睡眠時無呼吸症候群などの病気が関係している可能性もあるそうです。

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