「よい眠りには、室温を安定させることが必要です。夏はエアコン、冬は暖房器具を上手に活用して、適切な室温をキープしましょう」と三橋さん。
熱帯夜が続く夏は、室温を28℃以下に保ち、熱中症対策を。このとき夏の快眠のために、エアコンの温度設定を2段階化する技がある。まず、就寝1時間前に寝室のエアコンを25℃にして部屋をしっかりと冷やしておく。眠り始めは体温が高く、それを下げるために汗をかくので部屋を涼しくしておいたほうが寝付きやすいためだ。さらに、布団に入る直前に室温設定を26〜28℃に変更すると、1時間くらいかけて徐々に室温が上がり、体温リズムに合わせた室温変化を作ることができる。
「扇風機を使う場合は、風が直接身体に当たらないようにしてください。首振り設定にして天井に向け、部屋の空気をゆっくりと動かすようにするといいですね。風速0.4mの微風で快適に眠れます。エアコンと併用すると体感温度が下がり、設定温度が高めでも心地よく感じます」
また、窓からの外気温の影響はかなり大きい。可能なら寝室は二重窓にすると年間を通して室温が安定しやすいが、夏なら遮熱カーテンを設置し終日閉めておいたり、窓の外によしずや植物のカーテンを設置するのも有効。冬にはそのカーテンを厚手で長いものに替えるといい。季節を問わず、湿気の影響を避けるため、ベッドは窓や壁から10cm以上離すこともポイントだ。
「ベッドが壁に密着していると、掛け布団が片方にずり落ちやすくなるので、その対策のためにも壁から離しておくといいですね」
冬特有の問題として、温かい場所と寒い場所の急激な温度変化が原因で死亡事故も起こるヒートショックに注意。
「布団の中は33℃くらいが快適だと感じるのですが、部屋は10℃だったり廊下は8℃だったりと、20℃以上の差があると危険です。睡眠にいいとされる冬の室温の理想は18℃以上。トイレや他の部屋との温度差も5℃以内にするようにしましょう」
寒さへのケアと同時に大切なのは乾燥対策。暖房を使用するなら、加湿も忘れずに。床からの冷気も侮れない。
「冬は、床からの冷気をしっかり遮ると温かさが違ってきます。カーペットを敷けば、かなり遮断されますよ」