からだ

Vol.41 指に湿疹ができて、かゆくてたまりません。【40歳からのからだ塾WEB版】

こんにちは。ライターの及川です。
数日前、手首の痛みがひどくペットボトルの蓋も開けられない状態になり、整形外科を受診しました。「中年に起こるテニス肘(ひじの腱鞘炎のこと)」との診断(中年!?と言われてちょっと悲しい気持ちに……)。原因は、手の使い過ぎです。普段当たり前のように使っている場所が思うように使えなくなると、途端に不便を感じますね。大事に使わねばと痛感しました。医師から効果的なストレッチなども教えてもらって、快方に向かっています。また改めて、このコーナーで詳しく紹介できたらと思っています。

さて、今回は手湿疹の症状と対処法です。指に水疱ができる、かぶれる、とてもかゆいなどの症状を繰り返すときは、この病気かもしれません。皮膚科医の石黒直子さんに、セルフケアのコツや治療法について聞きました。クロワッサンの誌面でも同じテーマをとりあげていますので、ぜひチェックしてみてくださいね。
  • 文・及川夕子 イラストレーション・小迎裕美子

手湿疹(主婦湿疹)は水仕事をよくする人に多い

手がかぶれたり、水ぶくれができて、クリームを塗ってもなかなか治らない……。そんなときは、手湿疹の可能性があります。
「手湿疹は、主婦湿疹とも呼ばれ、水仕事をよくする主婦や洗剤などをよく使う美容師などに多い症状です。出産後に悪化する女性が多いのですが、最近は出産の高齢化に伴って、20代のみならず40代後半から症状が始まる女性もみられるようになってきました」と、皮膚科医の石黒直子さん。

原因は、「水や洗剤などにより手の皮膚表面の油分が奪われるため、角層の脱落によって水分が保持できなくなるから」だそうです。一度コンディションが悪くなると、皮膚が刺激に弱くなり炎症や湿疹、かゆみなどの症状が繰り返し起こるようになります。水仕事をする頻度によって重症化し、びらんといって皮膚が向けたり切れたりして痛みが出ることも。また、アトピー性皮膚炎など、もともと外的刺激に敏感な皮膚の人では、手湿疹ができやすい傾向にあるとか。

手湿疹(主婦湿疹)の症状

手指に炎症・湿疹が起こり、かゆみ、カサカサ、かぶれ、皮むけ、水疱などが現れる。写真は60代女性の症例。
資料提供:石黒直子

適切な治療と予防の2段構えで治していこう

では、手湿疹の症状で困ったとき、どのような対処法があるのでしょう。

【皮膚科受診の目安】
手指が赤くなったり、ブツブツができるような段階になると、保湿ケアをしてもなかなか治りません。早めに皮膚科を受診しましょう。
治療では、炎症の程度にあったステロイド外用薬が処方されます。1日2回程度使いますが、夜は寝る前に塗り、綿の手袋をすると効果的です。症状に合わせて、保湿剤やアレルギー薬の内服が処方される場合もあります。

【欠かせないホームケア】
「手湿疹は予防がとても大切です」と石黒さん。
ホームケアでするべきことは、刺激からの防御と保湿ケアの2点。
「手湿疹は手を使っていると悪化しますが、夏休みやお正月休みなどでしばらく水仕事を休むとよくなる人が多いのです。とはいえ、水仕事から完全に離れるのは難しいでしょう。手袋をして洗い物をする、手を洗ったらハンドクリームをこまめに塗るなど、工夫して過ごしましょう」(石黒さん)

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