からだ

筋温を上げて痛みをとる、身体を大きく動かすストレッチ。

「動的ストレッチ」という言葉を聞いたことがありますか? 腕や脚を積極的に回したり踏み出したりして痛みやコリのない身体を目指すメソッドです。
  • 撮影・青木和義 スタイリング・白男川清美 ヘア&メイク・武田尚子(メランジ) モデル・東 麻美 イラストレーション・川野郁代 文・板倉ミキコ
パーソナルトレーナー 比嘉一雄さん

静止したポーズのまま部位を伸ばすストレッチでは得られない、身体の動きがグンと軽くなるストレッチがある。
「身体を倒したり、曲げたり、捻ったりと動きを加えながら、連動する筋肉を合わせて伸ばす“動的ストレッチ”と呼ばれるものです」(パーソナルトレーナー・比嘉一雄さん)
私たちがストレッチと聞いてイメージする、ゆっくりと可動域いっぱいに筋肉を伸ばし、その状態で静止するタイプは“静的ストレッチ”と呼ぶ。
「動的ストレッチも静的ストレッチも“筋肉を伸ばすことで身体の柔軟性を高める”という点では共通していますが、伸ばし方が異なるので得られる効果も違ってきます」

比嘉さんの話を元に、2つの違いを上の表で比較してみた。
「リラックス効果がある静的ストレッチは、運動後のクールダウンや就寝前にするのがいいですね。一方、動的ストレッチは、朝やこれから活動を開始するときにおすすめです。また、日常的に運動不足で、身体を大きく動かす機会が少ない人は、使える筋肉を取り戻し、代謝を上げるためにも動的ストレッチを取り入れてほしいです」

能動的に身体を動かしながら筋肉を伸ばす動的ストレッチは、筋肉の収縮を利用して、筋肉の血流量を増大させる。そのため、筋肉の温度である“筋温”が上昇、酸素や栄養分の流れも増える。運動に使う筋機能のアップに役立つだけでなく、コリや痛み、ハリなど、私たちの体調不良を改善する効果や、慢性化した悪い姿勢や動きの癖をリセットする効果も期待できる。
「リズミカルに大きく筋肉を動かすストレッチですが、身体の硬い人、運動をしていなかった人がいきなりスピーディに身体を動かすと、筋肉を逆に痛めてしまうので危険です。最初はゆっくりしたペースで行い、徐々に動きの幅、強さ、速さを上げてください」

リズムの目安として、歌を歌いながらやるのもいい。例えば童謡の『うさぎとかめ』。最初はゆっくり歌いながら行い、慣れてきたら通常のテンポに。
「ただ早くすることにこだわると、姿勢が崩れてしまって筋肉がちゃんと伸びません。正しい姿勢を維持し、ポイントをつかんで実践してください」

筋肉を使いながら伸ばす動的ストレッチで、軽やかな身体に。動画をチェックしながら実践!

比嘉一雄さんの動的ストレッチ【上腕・表】その他動画一覧(14本)は以下のリンクから

比嘉一雄(ひが・かずお)●パーソナルトレーナー。「CALADA LAB.」代表。科学的エビデンスを基にメソッドを考案。著書に『驚くほど伸びる動的ストレッチ』(池田書店)が。

『クロワッサン』967号より

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※ 記事中の商品価格は、特に表記がない場合は税込価格です。ただしクロワッサン1043号以前から転載した記事に関しては、本体のみ(税抜き)の価格となります。

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