からだ

Vol.30 更年期高血圧と言われ、血圧が安定しません。【40歳からのからだ塾WEB版】

家庭血圧を測った方がよい理由は?

健康診断で指摘されなかったから大丈夫。そう思いがちですが、血圧は一日中変動するもの。健診ではたまたま低めに出た可能性もあり、自分の本当の血圧を把握することがむしろ大切なのだそうです。
そのためにも、「40代から家庭血圧を測る習慣を」と苅尾さんはアドバイスしています。
「どの時間帯であれ、血圧が上がってきたら、血管が老化し始めているサインです。特に起床時の血圧が高い『早朝高血圧(モーニングサージ型)』は、心臓や血管に負担をかけ、脳卒中や心筋梗塞を起こすリスクが高くなります。一方、睡眠中も血圧が下がらない『夜間高血圧型』でも動脈硬化が進んでしまいます。高血圧にもいろいろなタイプがあります。家庭血圧が135/85mmHg以上の方は放置せず、早めの受診をお勧めします」(苅尾さん)

気をつけたい早朝高血圧

血管が硬い人や更年期障害などで自律神経のバランスが崩れている人は、早朝だけ血圧が上昇する「モーニングサージ型」になりやすい。

出典:自治医科大学ABPM研究Wave1データ

私も去年から、血圧計を手に入れて家で血圧を測り始めました。血圧の数値を見ておくことで、逆に更年期に入ってきたかどうかを推測するヒントにもなると思ったからです。最近は、朝・夜の記録をとっておけるタイプも出ています。あれこれ比べながら “マイ血圧計” を選ぶのも、なかなか楽しかったですよ。

血圧というととても身近なテーマですが、改めて知ることで、血圧ケアって大事なんだなあと感じました。減塩だけでなく、運動や睡眠も大切。自分で計測すれば、高血圧の “芽” を早く見つけられるという点もポイントでしたね。みなさんも、ぜひ家庭血圧を測ってみてください。

ご協力いただいた医師

苅尾七臣さん 自治医科大学 循環器内科学講座 教授

かりお・かずおみ●専門は循環器内科と老年医学。特に早朝・夜間高血圧を含む血圧変動に関する研究、病態解明や早期発見、早期治療、予防に力を注いでいる。

※症状や治療法には個人差があります。必ず専門医にご相談ください。

ライター、メノポーズカウンセラー 及川夕子
更年期、まっただ中のライター。最近、ちょっと休んだぐらいでは疲れが抜けなくなってきて、以前よりもカラダのメンテが欠かせなくなったと実感。とはいえ、カラダの変化をポジティブに捉え、同年代の女性の健康に役立つさまざまな情報をお伝えしていきたいと思っています。ただいま、ヨガやマインドフルネスを実践中。ホルモン補充療法も試してみたい!
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