からだ

Vol.28 足がむくんで、だるいんです。【40歳からのからだ塾WEB版】

下肢静脈瘤は女性に多い

榊原さんによると、下肢静脈瘤の4大要因は、①妊娠・出産、②長時間の立ち仕事やいすに座りっぱなし、③加齢、④肥満などの体質。女性は、筋肉量が男性に比べて少ないため、足のポンプ作用が弱く、足に流れた血液がより心臓に戻りにくい→男性よりも足がむくみやすいといえます。また、妊娠中は赤ちゃんの重さでおなかの静脈がつぶれてしまい、下肢静脈の高血圧が起こりやすくなるそうです。そのほか、立ち仕事など足を動かさない職業や肥満によりなりやすい人もいます。

下肢静脈瘤の予防&ケアにもなる!
専門医が教える「自分でできるむくみケア」

最後に、自分でできるむくみケアを紹介します。「血液を心臓に送るため足を高くしたり、足の筋肉を鍛える体操などが効果的です」(榊原さん)

  • テレビを見るときなどは、足を高くする(フットレストなどに足をのせる)
  • 寝ながら手足を高くして、バタバタさせる運動をする
  • 長時間デスクワークが続くときや歩けないときには、時々貧乏ゆすりをする(足にとっては “健康ゆすり” になる)
  • 弾性ストッキング(下肢に圧力を加え、血流改善を促すストッキング)を履く。医療用がお勧め。最近は、ドラッグストアなどでも簡易用は扱っています。
  • 水分摂取は適量に留める

一般的な食生活の人で、1日1.8〜2リットル程度の水を食事からとっています。対して、尿として排出できる水分は1日1.5リットル程度。ほかに自然に蒸発する汗などの水分や便の水分が、各500cc程度です。水分の排出量は、実は限られているので、それ以上の水分をとれば、当然むくみにつながります。食事以外で水を大量にとっていたり、果物など水分が多いものをとりすぎているなら控えましょう。

テレビの情報番組などでは、高齢者の方に向けて「水分補給は大事、水をたくさんとりましょう」というメッセージがよく流れます。暑い季節には、熱中症予防と対策のため、確かに水分摂取が大切ですが、空調の利いた部屋でじっと動かずに過ごす人と、屋外で過ごす人、アスリートのように運動量の多い人では、必要な水分量はかなり違ってきます。ということで、今回は「水分摂取は自分の適量を知ることが大事」という榊原さんの言葉がポイントだと思います。細胞間に染み出した水分をより多く回収しているのは、「リンパより静脈」ということも印象に残りました。

次回は、下肢静脈瘤についてより詳しくお伝えします。重症化すると皮膚にも症状が出るそうです。最新の治療法なども紹介しますよ。

ご協力いただいた医師

榊原直樹さん 東京血管外科クリニック

さかきばら・なおき●医学博士。専門は心臓血管外科。世界的な下肢静脈瘤治療の第一人者であり、東アジア唯一の熱を使わないスーパーグルー治療を精力的に行っている。

※症状や治療法には個人差があります。必ず専門医にご相談ください。

ライター、メノポーズカウンセラー 及川夕子
更年期、まっただ中のライター。最近、ちょっと休んだぐらいでは疲れが抜けなくなってきて、以前よりもカラダのメンテが欠かせなくなったと実感。とはいえ、カラダの変化をポジティブに捉え、同年代の女性の健康に役立つさまざまな情報をお伝えしていきたいと思っています。ただいま、ヨガやマインドフルネスを実践中。ホルモン補充療法も試してみたい!
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