からだ

Vol.27 あごが痛くて口が開けられません。【40歳からのからだ塾WEB版】

顎関節症には4つのタイプがあります。

顎関節症の4つのタイプ

  • 咀嚼筋痛障害  顎関節痛障害
  • 顎関節円板障害 変形性顎関節症

多くの患者さんが複数の病態を併せ持っている。
病態に応じて、治療を行います。

出典:日本顎関節学会 顎関節症の病態分類2013

多くの患者さんが複数の病態を併せ持っており、専門医による診断が必要です。4つのタイプのうち、最も多いのは意外にも「筋肉の障害」だそう。
 
顎関節症に関係の深い筋肉は、咀嚼筋と呼ばれるいくつかの筋肉です。これらの筋肉がなんらかの原因(ストレスによるくいしばり、偏咀嚼など)で緊張しすぎてかたくなると、筋性の痛みや開口障害が生じます。

顎関節の構造と顎関節症に関係する筋肉

顎関節の構造と顎関節症に関係する筋肉

顎を動かす主な筋肉は咬筋、側頭筋。顎関節は、頭の骨にある下顎窩と下顎頭、間に関節円板が入り、あごの動きに合わせてスムーズに動くような構造になっています。

資料提供:和嶋浩一

顎関節症の治療法はいくつかあります。

  • 認知行動療法(悪い習慣を認識させ、改善するように指導する)
  • 物理療法(冷やしたり温めたりして症状の改善を図る)
  • 運動療法(あごを動かす運動や開口訓練など)
  • 薬物療法(痛みをとる、筋肉の緊張を和らげる薬を処方する)
  • スプリント療法(歯ぎしりによる害を防ぐ)
  • 外科療法(関節の中を洗う方法や癒着をはがす手術など)
  • 心理療法(心理精神的問題が関与する場合)

「多くの場合、負担の少ない治療法で十分に効果をあげることができます。症状、病態が複数重なっていることが多いので、優先順位に従って各治療法を並行して行います」と話す和嶋さんに、代表的な症例と治療法を教えていただきました。

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