からだ

Vol.19 肌のかゆみが続いています。【40歳からのからだ塾WEB版】

皮脂欠乏性湿疹になったら?

通常のスキンケアをいくら頑張っても改善しません。単なる肌荒れとは違うので、正常な肌へ戻す治療が必要です。皮膚科を受診しましょう。

「治療では、皮膚を正常な状態に戻すため、ステロイド外用薬(軟膏)を用いてまず炎症を抑えます。かゆみを抑える抗ヒスタミン薬や血行促進作用のある塗り薬を処方する場合もあります。ステロイド外用薬を使うと3日ぐらいで肌の状態がよくなってきますから、その後は通常の保湿ケアを行っていきます。特に、皮脂腺が少ない部位(足のスネ、肩、腰、太もも、腕など)は念入りに」(赤須さん)


番外編
「かかとのひび割れ」「割れやすいツメ」のケアはどうする?

更年期には、かかとのひび割れや割れやすいツメなどに悩まされる人も多いと思います。
「ひび割れは、皮膚科で処方さらえるサリチル酸ワセリンを使うと、1週間程度で厚くなった角質がはがれ、やわらかい皮膚が戻ってかす。水虫があって角質が厚くなっている人にもおすすめです」(赤須さん)

ツメにも肌と同様のことが起きていて、乾燥させてしまうと弱くなります。
「乾燥(脱脂)させないことが大切。洗いものでは熱い湯は避ける、ワセリンなどの保湿剤を塗りラップでまくなどしてケアを。切りすぎない、深爪をしないことも大切です」(赤須さん)

最後に、冒頭でエストロゲンと肌の関係について紹介しましたが、ホルモン補充療法(HRT)は、減ってくるエストロゲンを補う療法。更年期障害でホルモン補充療法を受けている人では、弾力低下など肌のトラブルが少ないことも知られています。
肌のほかにも更年期症状で困っている人は、婦人科に相談してみましょう。
ホルモン補充療法もあわせて行うと、肌の症状の改善も期待できると思います。

今までのケアでは不調がよくならない。そんなときは、医療の力も借りながら、健やかに過ごしていきたいですね。これも、いろいろと経験を重ねてきた大人の知恵かなと思います。

ご協力いただいた医師

赤須玲子さん 赤須医院院長、皮膚科医

あかす・れいこ●確かな臨床経験と美容に精通したきめ細やかな診療に定評がある。専門はシミ、シワ、ニキビ、ホクロなど。日本皮膚科学会専門医、医学博士、アメリカ皮膚病理認定医。

※症状や治療法には個人差があります。必ず専門医にご相談ください。

ライター、メノポーズカウンセラー 及川夕子
更年期まっただ中のライター。最近、ちょっと休んだぐらいでは疲れが抜けなくなってきて、以前よりもカラダのメンテが欠かせなくなったと実感。とはいえ、カラダの変化をポジティブに捉え、同年代の女性の健康に役立つさまざまな情報をお伝えしていきたいと思っています。ただいま、ヨガやマインドフルネスを実践中。ホルモン補充療法もしてみたい!
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