からだ

Vol.17 ときどき目がかすみます。【40歳からのからだ塾WEB版】

では、なぜ老眼年齢に入ると目がかすむようになるのでしょう?

40代は、本格的な老眼へ進む途中の端境期ともいえます。
「水晶体の加齢変化には個人差がありますが、40代ぐらいだと水晶体が硬くなってきているとはいえ、ピント調節力がまだ少し残っている人もいます。調子が良いときは見えるけれど、目が疲れているときに見えにくくなるといった状態ですね。そうした状態で、パソコンやスマホを長時間使ったりして目を酷使していると、ピントが戻りにくくなり、視界がかすむことがあります。無理に見ようとすると肩こりや頭痛の原因にもなりますから、ときどき遠くを見るなど、目を休ませると少し楽になるでしょう」と高村さん。
まだ少し見えるからと、老眼鏡を使わずにやりすごしてしまう。それがかえって、疲れ目やかすみ目の原因になっているというわけですね。
また、「老眼年齢に入ると、近視の人ではいままでのメガネやコンタクトレンズが合わないように感じてくると思います。その場合も、老眼年齢が始まったサイン。見えづらさを感じたら、眼科や眼鏡店で相談し、メガネやコンタクトレンズの度数を調節し直しましょう」

一度老眼になると治らないのでしょうか?

ピント調節の低下は、目の水晶体の弾力が失われてくることによって起こりますが、現代の医学では水晶体そのものの加齢変化を止めるのは、難しいとのこと。
「将来、良い治療法が出てくる可能性はありますが、今のところ、老眼になったら老眼鏡などの補助具を使って対処するのが一般的です。老眼の度数も進んでいくので、メガネやコンタクトレンズは1度作ったらおしまいというものではありません。視力を維持していくためには、見えにくくさやライフスタイルに応じて、その都度メガネを調節したり、買いそろえたりすることが大切です」(高村さん)

近視と遠視では、老眼のなりやすさに違いはあるのでしょうか?

老眼は、年を重ねていくと、誰にでも起こる可能性がある症状です。
「40歳ぐらいからは、遠視の人も近視の人も関係なく老眼が進みます。ただ、近視の人は、普段メガネやコンタクトで視力を矯正して過ごしています。メガネを外せば、近くが見えやすいという特徴があるため、老眼に気づきにくいといえます」(高村さん)

老眼による疲れ目、かすみ目を改善するには?

目を酷使しない、疲れさせない工夫が必要です。

  • パソコンやスマホを使うときには、ときどき休憩を入れて、遠くをみたりして目を休ませる。
  • 老眼は年齢とともに進むため、定期的に視力を測ることが大切。
  • ライフスタイルや用途に合わせてメガネを用意するなどの工夫を。見えづらくなったら、その都度コンタクトレンズやメガネの度数を調節することで快適に過ごせる。
  • デスクワークが多い人は、仕事中だけでも近くが見えやすいメガネを使うのも一案。近視の人は、普段はコンタクトレンズをし、近くを見る必要があるときには弱い度数の老眼鏡を上からかけると見えやすくなる。

かすみ目の原因その2
ドライアイもかすみ目の原因になります。

ドライアイとは、涙の量や質が低下して、涙が均等に行き渡らなくなったり、目の表面に傷がついたりする病気のこと。コンタクトレンズの使用、エアコンによる乾燥、長時間のパソコン作業(まばたきが減る)などが原因で起こります。目は乾くと反射的に涙を流そうとするので、かえって涙目になる人もいます。
「老眼年齢に入りたての40代では、老眼鏡を使わずに、無理をしてものを見ている人がたくさんいます。それがかえって目を凝らしたり、まばたきが減る結果となり、ドライアイを発症してしまうケースも少なくないと思います」(高村さん)
目が疲れやすい・重たい・乾く・ゴロゴロする、光がまぶしい、かすんで見えるなどの症状がある人は、放っておかずに、眼科医に相談しましょう。

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