からだ
Vol.7 コレステロール値が下がりません。【40歳からのからだ塾WEB版】
ところで、なぜコレステロール値が高いと要注意なのでしょう。
それは……
コレステロール値が上ると脂質異常症になり、動脈硬化が進む。その結果、心筋梗塞や脳梗塞などのリスクが増すことが知られているためです。
では、コレステロール値が上がったら、すぐに薬を飲まなくてはいけなのでしょうか。答えは、そうとも限りません。
実は近年、コレステロール値には「性差がある」ことがわかってきて、病院での対応も少し変わってきています。まとめると……
- ● エストロゲンの作用がある女性は、閉経近くまで血管が守られている。そのため、男性と比べると血管の老化が進むのが10年くらい遅い。つまり、女性は男性よりも動脈硬化になりにくい。
- ● 閉経前の女性は脂質異常をまず起こさない(家族性脂質異常症を除く)。
- ● 女性の動脈硬化が必ずしもLDL(悪玉)コレステロールの量に依存しない
ということがわかってきています。
最新の「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2012」にも、性差が明記されており、50代の女性は、血圧やコレステロール値が高くても、これからの10年間に冠動脈疾患で死亡するリスクは0・5%未満(図参照)。
すぐにコレステロール低下薬を飲む必要はなく、優先すべきは生活習慣の改善とされています。
ただし、喫煙習慣のある女性や糖尿病患者など高リスクの人では、薬による治療が必要な場合があります。
出典:千葉県22市町村基本健康診査結果(平成14年度〜18年度に実施)
ガイドラインには「一次予防においても、LD L-Cが180mg/dL以上を持続する場合は、薬物療法を考慮する」と目安が明記されています。
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