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タイの昆布締めパスタ【野本やすゆきさんの魚の「サク」活用レシピ】

魚を買うとき、切り身ではなく、ぜひサクを選んで! 日持ちして、旨味が増す下ごしらえの方法とレシピを紹介します。
  • 撮影・黒川ひろみ スタイリング・高島聖子 料理製作・野本やすゆき 文・長谷川未緒 撮影協力・UTUWA TEL.03・6447・0070

肉を使うように、魚のサクを洋風料理にも。新しいおいしさを発見!

タイの昆布締めパスタ

【Point】タイをフライパンに入れたら加熱しすぎず、にんにくの香りを移す程度の短時間で。刺身の食感や味を楽しみたい場合は、パスタと同じタイミングでフライパンに入れてもいい。

タイの淡白な味がポン酢で調味する和風パスタによく合います。仕上げに柑橘で香りづけするアレンジを加えるのもおすすめ。

【材料(1人分)】
スパゲッティ 80g
タイの昆布締め 60g
オリーブオイル 大さじ1
にんにくのみじん切り 1かけ分
鷹の爪 1本
スパゲッティの茹で汁 50ml
ポン酢 大さじ1
大葉の粗みじん切り 3〜4枚分

【作り方】
1.タイの昆布締めは1cm角に切る。鷹の爪は種を取る。
2.鍋に湯を沸かし、塩(分量外。湯の1%の分量)を入れ、スパゲッティを袋の表示の1分前まで茹でる。
3.フライパンにオリーブオイル、にんにくを入れて火にかける。にんにくから香りが出てきたらタイと鷹の爪を加えて炒め、タイの表面の色が変わったら、スパゲッティの茹で汁、ポン酢を加えてしっかり混ぜる。
4.スパゲッティ、大葉を加えて炒め合わせる。

「サクは切り身に比べて傷みにくく、カット代やツマ代がかかっていないため、割安です。切り方を選べて展開料理も楽しめるので、おすすめ」

と語るのは、寿司職人で料理家の野本やすゆきさんだ。

部位が選べるのもサクの良さ。たとえばサーモンなら、背側はさっぱり、腹側は脂がのっているため、使い方に合わせて選ぶといい。サクは冷凍品も多いので、買ってきたらすぐ余分な水分をキッチンペーパーで吸い取ってから、下ごしらえしよう。

「醤油漬けにしたり昆布で締めたりすると、余分な水分と臭みが取れ、持ちがよくなり旨味も増します。刺身で食べてもおいしいですし、料理にも展開しやすいので、お試しください」

〈魚のサクの下処理〉

サクがぐんとおいしくなる下ごしらえの方法は次の4つ。ほんのひと手間で、そのまま食べるより断然おいしくなります。

漬け

醤油2:みりん1:酒1が黄金比。味と風味がしっかり染み込み、魚特有の生臭さが和らぎます。

【材料(作りやすい分量)】
魚のサク(マグロ、サーモン、タイ、ヒラメ、ブリなど)200g
漬けだれ[醤油 大さじ3、煮切りみりん 大さじ1と1/2※、煮切り酒大さじ1と1/2]

【作り方】 
魚をさっと熱湯にくぐらせザルにあげる。軽く水気を切って漬けだれと一緒に保存袋などに入れ、3時間ほど漬ける。

※みりん、酒は、耐熱容器に入れてラップをかけずに、電子レンジ(600W)で50〜60秒くらい加熱しても、煮切りできる。

酢締め

さっぱりした味わいが楽しめる酢締めは身が締まり、食感もアップ。レモンの代わりにすだちやゆずでも。

【材料(作りやすい分量)】 
魚のサク(サーモン、タイ、ヒラメなど)200g
塩 4g(サクの重さの2%の分量)
酢 適量
レモンの輪切り 3〜4枚

【作り方】
1.魚に塩をふり、30分置いたらキッチンペーパーでしっかり水気を取る。
2.レモンを入れた酢に15分ほど漬ける。

塩締め

余分な水分が抜けて臭みが取れ、身が締まりおいしくなります。料理への展開もしやすい万能下処理。

【材料(作りやすい分量)】
魚のサク(ブリ、タイ、ヒラメ、マグロ、サーモンなど)200g
塩 2g(サクの重さの1%の分量)

【作り方】
魚に塩をふり、20分ほど置いてキッチンペーパーで水気を取る。

昆布締め

淡白な魚に旨味を足す昆布締め。2日ほど寝かせると、ねっとりした食感と歯ごたえが味わえます。

【材料(作りやすい分量)】
魚のサク(タイ、ヒラメ、ブリ、サーモンなど)200g
昆布 適量
酒 適量

【作り方】
1.酒で濡らしたキッチンペーパーで昆布を拭く。
2.昆布で魚をはさみラップで包んだら、冷蔵庫でひと晩置く。

野本やすゆき

野本やすゆき さん (のもと・やすゆき)

寿司職人、料理家

東京・谷中で一番古い寿司屋『松寿司』の3代目。著書に『まいにち作りたい魚料理』(大和書房)など。多彩な魚料理レシピに定評がある。

『クロワッサン』1057号より

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