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肺をうるおす、かぶとじゃがいもの白いポタージュ【呼吸器をうるおす健康レシピ】

冷たく乾燥した空気を吸い込む季節の呼吸器は、粘膜がカサカサしてしまい、細菌やウイルスと戦う免疫力も弱ってしまいます。
そこで、体を内側からうるおしてくれる食材を使ったレシピを紹介します。
  • 撮影・岩本慶三 文・山下孝子

野菜の甘みをストレートに味わえるスープ。

このスープは水で煮た野菜をブレンダーで撹拌することでとろみを出し、生クリームを使わず、さっぱりした味わい。それでいて、じゃがいもを使っているから腹持ちは満点です。
メインのじゃがいもとかぶはどちらもビタミンCが多く、特にかぶはカリウムやマグネシウムなどのミネラルが含まれています。

かぶは葉の根元部分にうまみが詰まっているため、そこを残しておくのがポイントです。

かぶとじゃがいものポタージュ

ブレンダーでじゃがいもとかぶを撹拌するときは、かぶをすべて撹拌せず、8切れほど飾り用に残しておくことで、2種類の食感を楽しむことができます。

【材料】2人分
かぶ …… 5個
じゃがいも …… 小2個
たまねぎ …… 1個
水 …… 400ml
オリーブ油 …… 大さじ1
塩 …… 小さじ1/2
パプリカパウダー …… 適量

【作り方】
1.かぶは茎を1センチほど残して切り落とし、皮をむき6~8等分に切って水にさらす。たまねぎは半分に切ってから薄切りにする。じゃがいもは薄切りにする。
2.鍋にオリーブ油を熱し、塩一つまみ(分量外)をふってたまねぎをしんなりするまで炒める。
3.じゃがいもを加えてつややかになるまで炒めたらゆで汁を加え入れ、じゃがいもがやわらかくなるまで煮る。
4.かぶを加えて蓋をして弱火で5分ほど煮たら、飾り用のかぶを8切れほど取り出してからブレンダーで撹拌する。
5.塩で味を調えたら器に盛り、かぶを飾りパプリカパウダーをふる。

漢方の発想でうるおいを与える、白い食材とスパイス。

白い食材

【 白菜 】ビタミンCとカルシウムの吸収を助けるマグネシウムが多い。
【 大根 】抗炎症作用がある「イソチオシアネート」が含まれている。
【 かぶ 】白い根の部分にはビタミンC、カリウム、食物繊維が多い。
【 牛乳 】カルシウムとたんぱく質、さらにビタミンAが豊富。
【 山芋 】食物繊維のねばねば成分が粘膜を保護してくれる。
【 なし 】果糖の「ソルビトール」には整腸作用があり食物繊維も豊富。
【 豆腐 】腸内の善玉菌が好むオリゴ糖が豊富に含まれている。
【 ねぎ 】白い部分は硫化アリル、青い部分はカロテンが豊富。

スパイス

【 しょうが 】火を通すことで新陳代謝を促して体を温める作用がある。
【 クミン 】抗酸化作用が高く、皮膚や粘膜の健康を守ってくれる。
【 丁子 】胃腸の調子を整え、抗菌と抗酸化作用を持っている。

毎日の食事によって体の乾燥と冷えを防ぐ。

中国で誕生した薬膳の世界では、季節によって食べるべきものの色が決まっており、乾燥がひどくなる冬に備えて肺や鼻などの呼吸器にうるおいを与えるために、秋は「白い食材」を食べることが推奨されています。肺や鼻がうるおえば、消化器官である大腸の調子も整うと考えられており、腹式呼吸が内臓によい刺激を与え便通を促すため、確かにうなずけます。

このページで紹介している食材のほかには、豆乳、れんこん、白ごま、いか、百合根、さらに意外ですが豚肉などが白い食材です。

日本の夏は湿度が高いものの、熱中症予防のために一日中冷房をつけっぱなしが一般的になり、夏から体の内側と外側の乾燥が始まっている人も少なくありません。冬も暖房をかけるため、秋だけでなく冬の間も意識して白い食材を食べるようにしましょう。

さらに、白い食材に抗酸化作用や新陳代謝を促すスパイスを組み合わせてあげれば、冬の乾燥に対する備えは万全です。

落合貴子

落合貴子 さん (おちあい・たかこ)

栄養士、フードコーディネーター

自然食品メーカーでの栄養カウンセリング、料理研究家のアシスタントを経てフードコーディネーターの道に進む。スーパーで気軽に手に取れる食材を使い、栄養豊富でおいしいレシピを作り上げる知識と技術によってテレビや雑誌を中心に活躍。

『Dr.クロワッサン 感染症に負けない、カラダをつくる。』(2020年11月30日発行)より。

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