「9月になると急に食中毒が増えます」
夏の疲れを溜めたまま秋を迎えることが主な原因、と女子栄養大学栄養クリニック教授の蒲池桂子さん。食中毒を起こさないまでも、夏、私たちの体が疲れやすくなることを推測できる話だ。
「そもそも暑くなってくると食欲が低下しますが、近年は、冷房と屋外との寒暖差で、いったい今は暑いのか寒いのか、体がわからなくなっています。こうした場合にも食欲が落ちてきます」
ヒトの内臓は、自律神経によってコントロールされている。ところが、「暑いのか寒いのか」、体に判断がつかなくなると、自律神経のバランスが乱れ、内臓の機能に影響し、さまざまな不調が表れる。胃腸の働きが鈍るのもそのひとつ。すると、せっかく食事をしても、体は栄養を充分に吸収できず、夏バテの状態に。放っておけば疲れは溜まるばかり。