足元から這い上がる冬の寒さにペットボトル温灸で先手を打つ。
寒さによる不調を予防する、ペットボトル温灸。
- 撮影・岩本慶三 文・石飛カノ
寒さ・冷え対策
【腎兪(じんゆ)】
生命エネルギーの源、腎の働きは加齢とともに衰える。さらに寒い冬の時期には、熱を持った「陽」から冷えた「陰」の状態に。腎の機能を高める腎兪を温めて気血を補強。


★腎兪は腕を体につけたときのひじのライン上、背中から指2本分、外側にあるツボ。ペットボトルを横にして左右別々に熱刺激。
【湧泉(ゆうせん)】
腎の経絡のスタート地点に当たるツボ。刺激することで生命エネルギーがプラスされ、疲労の回復やリラクセーションが促される。さらに温めれば衰えた腎の機能も活性化。

★土踏まずのくぼんだところのほぼ中央に位置するツボ。床に座り、ペットボトルの側面をツボ周辺に当てて刺激。

★凹んだ真ん中
【関元(かんげん)、気海(きかい)など】
おヘソから下には、元気のツボであり下半身の冷えに効果的な関元、全身のだるさなどの改善に有効とされる気海といったツボがある。ペットボトルを少しずつずらして温刺激。

1.お腹はデリケートな部位。とくに敏感なおヘソ自体は避けて、おヘソの下にペットボトルの底を当てる。
2.おヘソの下に熱さを感じたら、その下にペットボトルの底面をずらす。このへんが関元に当たる。
3.熱さを感じたら、さらにその下の下腹部にペットボトルの底面をずらす。3カ所とも温めたら終了。
足元と下半身を温め、 寒さによる不調を予防。
東洋医学では一年の気候による要素を、風、寒、暑、湿、燥、火の6種類に分類している。これらは「六気」と呼ばれ、健康な人であれば季節に上手に対応できるが、気候条件が過酷になったり体の抵抗力が低下することで、それぞれの要素には「気」ではなく「邪」の文字がくっついて病気の原因となる。
冬の病気の原因となるのは「寒邪」。寒邪が原因でかぜになると悪寒や鼻水、温まると悪化する咳などの症状が出るのが特徴。
夏のエアコンによる冷えが上から降ってくるのと違い、冬の寒さは足元からやってくる。なので、下半身を中心にペットボトル温灸で温めるのがおすすめ。体調が悪くなってからというより、寒さや冷えによる不調を予防することが目的。冷え性の人は毎日でも。
ペットボトル温灸

ホット専用のペットボトルに水を3分の1入れて、残り3分の2に沸騰直前のお湯を加える。蓋を閉めて軽く振って混ぜ合わせたものを利用。台座付きもぐさと同等の熱刺激に。
『Dr.クロワッサン 不調が消える、ふだん漢方』(2020年1月28日発行)より。

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