腸が健康なら自律神経のバランスも整い、腸をケアをすれば、眠れない、イライラする、体が冷えるといった不調が解決するのは朗報です。
「腸の状態が悪くなる原因は2つに分けられます。1つは腸の活動力不足、もう1つは腸内環境が悪くなるためです。腸内環境は最近注目を集めているので、腸内細菌のバランスの乱れだと知っている人も増えていますが、腸の動きについてはあまり知られていません。でも、腸の動きが悪いことが不調の原因になっている人は案外多いんです」
腸は、胃から送られてくる消化された食物を分解して栄養素を吸収する小腸と、残りの水分を吸収し、便としてまとめて排出する大腸とで成り立っています。
「腸内で食物から便へと変化させながら徐々に肛門に向けて移動させるのが腸のぜん動運動です。この運動機能が衰えて、便をきちんと排泄できないのが腸の活動力不足ですね」
お腹をひねったり、腹筋を使うだけで、腸が活動するきっかけを作ることができます。
「これが腸ストレッチです。肛門の機能を司る骨盤底筋なども鍛えられ、腸の動きの悪さを簡単に解消できます」
小林さんがもうひとつすすめたいのが、腸を外から手で刺激すること。
「肋骨(ろっこつ)の下から骨盤にかけてお腹の表面近くにある腸は骨に覆われていないので、手でさわれる唯一の内臓です。お腹の上からつかんだりひねったりもんだりすることができます」
これで驚くほど腸の動きが活発になるそうです。
「コップ1杯の水を飲んで、胃の重みで結腸を刺激するという方法もあります。これは『胃結腸反射』といい即効性があります」
朝、コップ1杯の水を飲む習慣がいいというのは本当でした。