ファッション

【大人の服選び】もう数は要らない。旬のいいものを選んで着回します。

何を着たらいいかわからない。そんな悩みとは無縁そうなおしゃれな人は、どんなふうに服を選んでいるのでしょうか。ヘア&メイクアップアーティストの山本浩未さんに伺いました。

数は要らない。旬のいいものを選んで、着回すの!

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「若いころは似合わない服、着ない服をたくさん買って、失敗しましたよ。最近はちょっと賢くなったかな〜。旬のアイテムのいいものを1つか2つ、自分への投資だと思って手に入れて、そればっかり着回しています。洋服の数は要らないの」

 と、おしゃれな着こなしには定評がある、ヘア&メイクアップアーティストの山本浩未さん。この日、仕事場にさりげなくはおってきたレザーのコートは、出番の多い一着。「ロゥタス Raw+」というオリジナルレザーブランドのものだとか。

「やぎ革をなめしてこの薄さにする技術、本当にすばらしい。一枚仕立てでなめらかで、着ているのを忘れるくらい軽くて、手放せないんです。なにより肌に沿ってとろんと流れる、絶妙な『落ち感』が好き」

 いとおしそうにコートを撫でる山本さん。切りっぱなしがさまになるのも、革なればこそ。冬用にカシミアのライナーとファーもついていて、値段はかなり張ったけれど、袖を通すたびに「思い切って購入してよかった!」と満足しているそう。

 コートの下には、仕事着。形のきれいな「ギャルリー・ヴィー」のVネックの定番ニット、「ソリード」のパンツ。動きやすくて汚れても気にならないから「制服みたいなものよ」。

それでも、どこかに今の気分は欲しいから、パンツはすそがリブになっている流行の八分丈を選んでいます。

「あと今年っぽさを出すとしたらバッグやアクセサリーの小物類。私はシーズンにひとつ、新しい靴を手に入れて、とことん履きつぶします」

 エスパドリーユ風の黒いサンダルは、スペインの「ヘレ・マーリエ」のもので、革の質感と絶妙なソールの高さにひとめぼれ。素足に似合うので、この春夏は大活躍の予定だそう。

 

好きな舞台を観に行くときは服選びも気合いを入れて。

明快なメイク理論と、健康的に美しく暮らすライフスタイルが支持を集めている山本さん。オフの日のおめかしは、「サカイ」のセットアップ風ワンピース。太いベルトがアクセント。

明快なメイク理論と、健康的に美しく暮らすライフスタイルが支持を集めている山本さん。オフの日のおめかしは、「サカイ」のセットアップ風ワンピース。太いベルトがアクセント。

最近買ったのは、「ギャルリー・ヴィー」のインポー トのキュロットスカート。「コンパクトな袖無しカ ットソーなどを合わせて、すっきり着たい」

最近買ったのは、「ギャルリー・ヴィー」のインポー
トのキュロットスカート。「コンパクトな袖無しカ
ットソーなどを合わせて、すっきり着たい」


 仕事が制服なら、遊びに行くときの服は? いちばん気合いが入るのは、友だちと大好きな宝塚歌劇を観に行くとき。

「10年前に仕事で宝塚の方と対談したのがきっかけでね、それまで熱狂するファンの気持ちがわからなかったけれど、観に行ったら夢中になっちゃった。当時雪組のトップスターだった朝海ひかるさん、メイクひとつで凹凸バッチリのイタリア男になるってすごい。え〜、どうなってんの? って大興奮よ」

 語り出すと止まらない。いまでは、全作品を観るコアなファンに。

「舞台に立つ人に対して恥ずかしくないように、私もがんばっておしゃれする。コスプレですよね(笑)。思いっきり非日常を楽しんでるの」

 今シーズン購入した「サカイ」のワンピースは、レーシーなトップとひざ丈のボックスラインのスカートがつながったもの。

「インナーにベージュを合わせると、レース部分が透けてヌーディに見えるし、黒のインナーだとカジュアルになる。イメージを変えられるんです」

 ほかにも、ヘア&メイクアップアーティストならではの、洋服をきれいに着こなすセオリーが。

「洋服の素材とメイクの質感を合わせることは大事です。肌と洋服って、ひとつづきに繋がって見えるもの。そのことに気づいていない人がわりと多いかもしれない」

ナチュラルな服なら、メイクも厚塗りしすぎない。ちぐはぐにならないよう、洋服に合わせてメイクも変えることが大事。
 
同じ考え方で、洋服に合わせて下着も変えるのだそう。

「体のラインがやわらかくなってきた大人こそ、下着で自由自在に形を作れる楽しみがある」と山本さん。

カジュアルなときはブラキャミでも、ドレスや薄手のニットを着るときはバストをきれいな形に作るブラを選ぶ。パンツをはくならガードルでお尻を内に寄せて、かっこよく。

「マッサージでむくみを取って体のラインを整えてね、いろいろあがくのもけっこう好き。年を重ねるのも悪くないと思ってるわよ」

 なんともポジティブ! その前向きさが、着こなしをさらにワンランク上に見せているようです。

『クロワッサン』897号(2015年3月25日号)より

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