とはいえ、普段は大阪大学医学部の学生向けに行われている講義の内容。ボケとツッコミの雑談部分はいいものの、本論の部分はかなり高度な理解力を要する。
「よく雑談の勢いで本論も語ってくれと文句を言われます(笑)。専門用語がたくさん出てくるので、なかなか頭に入っていかないんやと思います。皆さん医学部の学生じゃないわけですから、大阪のお節介なおっちゃんが何か言ってる、くらいに軽く読んでもらってけっこうです。でも、なんとなく知っているだけで、インターネットの情報に踊らされづらくなるでしょうし、病気になったときに医師と話をしやすくなると思います」
仲野徹さんは1981年に医学部を卒業し、臨床やドイツ留学、研究を経て10年ほど前から病理学教授として学生に指導している。
「今の学生が実際に活躍するのは20年後。その頃には、AIが医療のあり方を変えていくのではないかと思っています。AIは関連論文などをすべて取り込めるわけですから、もしかしたら名医を上回る時代がやってくるかもしれません。