日本国憲法の第1条で、日本国と日本国民統合の象徴と規定されている天皇が、どうして反日だなんて言えるのでしょう?
「そうですね。天皇の国事行為は憲法の第7条に規定されていて、その中に “儀式を行うこと” があります。儀式とは死者たちの慰霊だと私は考えます。戦争や災害で亡くなったすべての人たちの魂を鎮める儀式を行うのが天皇の役割。フィリピンの戦没者を慰霊に訪れた際も “フィリピン人、アメリカ人、日本人の多くの命が失われました” と、当時の敵と味方を分け隔てせずに悼む言葉を述べました。敵と味方の対立を中和するのが天皇の働きですから、党派的意図で戦犯合祀を行った靖国神社を天皇が訪れることはありません。フィリピンやパラオには行くが靖国には行かない。それを快く思わない人もいるでしょう」