「2014年に安倍政権によって実質的に武器の輸出入が解禁されたことで、日本という国のあり方が大きく変わっていく、という漠然とした不安を感じるように。そこへ持ってきて、森友・加計疑惑。安倍一強の中で歪められていく政治への不信感が増していきました」
今年2月、社内の森友・加計取材チームに加わった。会見で注目されたことでバッシングも受けたが、追及の手は緩めなかった。
「応援してくれる記者仲間もいたし、何より読者からの『よくぞ聞いてくれた』という声が予想以上に大きかった。ネットが盛んな今、世の中がオールドメディアに不信感を抱く理由のひとつは、しがらみによる追及の甘さにあったんだと実感し、改めて、ほかにいないなら私が聞かなきゃと思いました」
会見に先立ち望月さんが取材していたのは、加計疑惑のキーパーソン、前川喜平前文科省事務次官。そして、当時顔出しで準強姦被害を訴えていたジャーナリストの伊藤詩織さんだ。この件について、「安倍総理の腹心ともいわれていた男性ジャーナリストへの逮捕状の執行が直前で不可解に差し止められた」と望月さん。