「『主人』はすでに日本に定着した呼び名になっていますが、これは読んで字のごとく、『あるじ』という意味の言葉。ですから、この言葉は『私は夫に従属している』という意味を根底に持っています。上下関係を意味する言葉を延々と使い続けていくことで、自分や家族に与える影響は確実にあるはず。それを知って使うかどうかが、大事なのではないでしょうか」
酒井さんは、基本的に他人を批判することはない。それだけでなく自分の中にある男尊女子気質も自覚している。
「法事で実家に帰ったとき、親戚の男性の結婚相手の名前を覚えておらず、『○○の奥さん』などとしか認識していない自分にはたと気づいたんです。 “主人” という呼び方に違和感を覚える私は、まずは親戚の男性と結婚した女性たちの名前を覚えなければならないなと思いました」